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西部戦線異状なしのKoKoのレビュー・感想・評価

西部戦線異状なし(2022年製作の映画)
4.0
ドイツ側から見た第一次世界大戦の映画。1930年に公開された同名映画のリメイク版で、アカデミー賞を獲るのも納得の見応えがあった。

冒頭から塹壕戦のシーンで死屍累々。戦死した兵士の軍服が回収され、工場に集められ、洗濯の後、補修され、新兵に再利用される。そんな地獄の様相をつゆ知らず、嬉々として兵隊に志願する青年達。ここらへんの描写が非常にグロテスクだった。
パウルやその友人達を中心に彼らの戦争での末路が描かれるんだけど、まあ凄惨。
この手の映画だとなんのネタバレにもならないけど、ドイツ側というのもあり、皆死ぬし死に方も様々。
チャーデンのセリフが響く。「俺達は助からなかった」
高い木の枝にぶら下がっている新兵の遺体、手脚が欠損した遺体、戦車に轢かれる血が吹き出す兵隊、赤い水溜り。グロいけどこんな感じなんだろうなぁ、、、
全権大使をダニエル・ブリュールが演じるんたけど、政治側の緊張感もいい感じに伝わる。
ダニエル・ブリュールの笑顔が見たいよ、、、

あと少しで終戦を迎えるにも関わらず、突撃命令が与えられるラストシーン、フーバー大統領が言ったとされる名言がよぎる。
"戦争は老人が始め、戦って死ななければならないのは若者である"

ラストシーンが聞いていた1930年版のものとは違うので、機会があればそっちも観てみたい。
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