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フェイブルマンズのMALPASOのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
映画『フェイブルマンズ』

スティーブン・スピルバーグの自伝的作品。『ベルファスト』『ROME』『The Hand Of God』などなど、最近巨匠監督たちが自身の生い立ちを映画化。偶然、インドのパン・ナリン監督の自伝映画『エンドロールのつづき』も公開。

主人公サミー(スピルバーグ)役のガブリエル・ラベルがそっくり。少年の頃、まさにこんな感じだろうなと言う雰囲気。父親役はポール・ダノ。『バットマン』では振り向いた途端、腹立つ顔と思ったけど、今回は優しいお父さんが素晴らしい。母親役ミシェル・ウィリアムズ。そういえば、LAにお母さんが経営するユダヤ料理の店があった。

スピルバーグが自ら脚本を書いたのは、『未知との遭遇』『AI』くらい。おおすじは、ジョン・バクスターが書いた『地球に落ちてきた男』にほぼ書かれている。母親の不倫を描くために、父親が亡くなってから制作したとのこと。

盟友ヤヌス・カミンスキーの撮影も素晴らしい。ものすごく早いテンポで話が進む。劇中に出てくるスピルバーグの少年時代のショート・フィルムを観ると、その天才ぶりがわかる。

映画に出てくるジョン・フォードとのエピソードは、以前ジョン・フォードのドキュメンタリーで、スピルバーグが語っていた事そのままだった。あらためて、ジョン・フォードに興味が沸いてくる。
音楽は当然ジョン・ウィリアムズ。

家族、友情、全ての重要な事が、主人公の8ミリで語られる。
映画を作ることばかりが描かれているけど、スピルバーグは山のように映画を観ている。そこも描いて欲しかった。

新しさはないけど、スピルバーグの生い立ちという、一枚乗っている映画なので。

この続きのお話の方も面白そう!
自伝で続編を!
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