ゆのは

フェイブルマンズのゆのはのレビュー・感想・評価

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.8
23/No.59
映画界の巨匠、
スティーブン・スピルバーグ。
彼の集大成とも言える作品
を映画館で鑑賞。

映画を作るべくして
歩んできたこれまでの人生が
丁寧に描かれていた。

映画を作る人の視点から
描いた作品といえば、
タイムリーなもので
「バビロン」を思い出す。
多少のフィクションはあれど、
「フェイブルマンズ」は
「バビロン」と比べると
地味に感じられるが、
どこか不思議で美しく、
ノスタルジックな
雰囲気に魅了された。

やはり、彼の作品は
カメラワークや世界観が秀逸。
彼の人生からも
この作品そのものからも
それを再認識した。

彼の映画作りの原点は
映像作りであり、
それが全ての彼の作品を
作っているのだと思う。

もちろんストーリーが
良いものもたくさんあって、
総合的に素晴らしい作品が多い。
しかし、映像には敵わない。

この作品も見応えはあるが、
ストーリーが少し惜しい気がした。
小さい波は多かったが、
もうひと波あるかなと思った
タイミングで終わってしまった。

一方で、あらかじめ
彼の人生や作品を
よく知っておくことで
より面白くなりそうな
ところも多い。
例えば、私が気づいた点では、
「衝突」という、
初めて映画を観て持った
子ども時代のこだわりが、
彼の処女作「激突!」
に繋がっているんだと思ったり、
彼にとって何作目だったか
劇中に出てきた西部劇的な作品が
「インディー・ジョーンズ」
を連想させたり、
作品から派生して
いろいろなものが
思い出され興味深かった。

最後に、主役を食う勢いで
存在感を放っていたのが
サミーの母(ミシェル・ウィリアムズ)。
アカデミー賞ノミネートも納得の演技。
彼女の視点から描いた
「フェイブルマンズ」も
気になるくらい印象的だった。

思ったよりも長々感想書いちゃったな。
ゆのは

ゆのは