ニクガタナ

フェイブルマンズのニクガタナのネタバレレビュー・内容・結末

フェイブルマンズ(2022年製作の映画)
3.7

このレビューはネタバレを含みます

スピルバーグ76歳。両親に捧ぐ半自伝。家族愛と映画愛に絡む人の業の話。米アカデミー監督賞獲って欲しかった。フィルマでの高評価も納得の面白さ。151分全く観飽きない。8mm自主制作経験者としては、初めて撮影して未編集であんないい感じに繋がるように撮れるはずなかろう とか、少年時代の監督作品のアングルが上手すぎだろうとか、8mm経験者ゆえに気になったところもあるが、板と砂を使ったセルフ爆破表現とか、水風船を使った血飛沫とかの工夫に大変感心。私もスポイト使って血飛沫撮影したっけなぁ。発砲表現にフィルムに穴を開けるなんて手法知らなかった。私は一コマ透明コマ挟んでたりしたもんだ。役に入りこんでカットの声が届かない素人学生役者さんにウケた。ちょいちょい笑えるシーン、カットが挟まり上手い。高3時の16mmのかもめのうんこ撮影もなるほど上手い。主人公の少年サムと母親ミッツィがメイン。ミッツィがピアニストなので洗い物なしの使い捨ての食卓に驚き、ビリーに会いたいからアリゾナへ戻るってマジ!直前の不穏な劇伴の乗る新築新居披露シーンが哀しい。ポール・ダノが演じる父親が気の毒過ぎた。キッチンでのあの哀しみあふれる表情が切な過ぎる。サムがちょっと変わった女の子に気に入られてからのプロムシーンも好き。語り尽くせないほど名シーンばかり。巨匠監督が語る地平線の話が特に良い。ラストカットのカメラワークが気が利いている。この続編が観たい。3部作でもいけそうだ。
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