ちいさな泥棒

蛇の穴のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

蛇の穴(1948年製作の映画)
5.0
精神病院もののなかでも断トツでキツい…発狂し夫の顔すら認識できなくなった女性が入院。序盤は謎解き系の雰囲気だけど、段階ごとに病棟が決まっている収容所の混沌とした空気を一緒に体感させられる。人と接する際起こす自分を守るための癖、トラウマを解明したりと前衛的で最後は温かい。

自分がなぜそれを無意識下で怖がってしまうのか、深い理由はわからなくてもスイッチを知っていれば対処できる。暗闇も怖くない。すぐ明かりをつけることができる。原因は一つでなくても幼少期の影響はやはり大きいんだなと「これからは自分の人生と向き合える」穏やかに終われるVer.のスワロウみたい。


自伝を映画化したものでかなりディテールが凝っていたのでこの作品をキッカケに精神病院の酷さが知られ見直されたのも納得。主演女優の方も演じわけがものすごく「一生ここから出られないんじゃないか」「何をしても治らないんじゃないか」と絶望的な気持ちになるほど疑似体験してる感覚になりました。