ちいさな泥棒

オペラの怪人のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

オペラの怪人(1943年製作の映画)
4.6
クロード・レインズ目当てで。
これはまたオリジナルのお話なので王道の『オペラ座の怪人』を期待して観てしまうと「違う、そうじゃない」と心の鈴木雅之が騒ぎ出すと思うので、ご注意ください。けど私のように邪な気持ちであったり、ブロマンス好きはワクワクな展開で楽しめると思います。オペラも素敵だし怪人がご機嫌でピアノ弾いてるシーンはちゃんと気持ち悪いし、ブロマンスに関してはなんならすべてかっさらってしまって怪人のことすっかり忘れてしまったりもした。ごめん。

クロード・レインズは間男ってわけではないんだけど、若い男二人が取り合ってる若い女性を、年甲斐もなく実は自分も好きで好きでしょうがなくて、殺人まで犯してしまう粘着おじさんを演じることが多い気がする。そしてそれが気づけば癖になっている自分がいて、品があるのに気持ち悪い粘着おじさんを欲してしまうのでもうこれは私得しかない作品ですた。

『幻しの合唱』を寝るときにつけるほど好きなのですが、はじめはこの作品で一目惚れしてしまったダグラス・モンゴメリー目当てだったのですが、見れば見るほど、“自分の甥っ子の婚約者への愛を募らせるアヘン中毒の神父“という正気とは思えないパワーワードの気持ち悪いおじさんであるクロード・レインズがたまらなくなってきて。彼を目当てでみたり、彼の作品を漁るようになりました。『情熱なき犯罪』も構成も責めてて逆に新鮮でありかなり好きな作品のひとつ。

ですがお恥ずかしながら『透明人間』であったり、オペラ座の、しかも怪人役を演じていたとは、、!これだから映画はやめられないと改めて思わされました。


裏設定をこちらのレビューで知ってしまってから観てしまったので、知らずに観たほうが気持ち悪さマシマシでよかったなぁと思いましたが、知ってても初見はだいぶ気持ち悪くて最高でした!

2回目は最初のセリフからずっと切なくて胸が苦しかったです。


あとはじめてカラー作品のクロード・レインズを見たので、ものっそい感激でちょっと泣いてしまいました←

2024年でこんなに感激してしまうんだもん、当時の人は白黒だった憧れの人がカラーで動いているのをはじめて見た時どんな気持ちだったんだろう。こんなにチーク濃いめなのね、、!って私と同じように変な感動の仕方をした人もいたのかしら。


と、与太話などで長くなってしまいましたが、とても楽しめた作品でした!