ちいさな泥棒

雨のちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

(1932年製作の映画)
3.9
コレラと大雨で足止めを食らった様々な事情を抱える人達。

自由奔放なワケあり女性を改心させようとする人間味のない牧師。雨の音と異国の地の太鼓の音、閉鎖的な空間も相まって目ん玉ガンギマリで洗脳されちゃうワケあり女性。洗脳完了して脳みそ溶けちゃった人って本当にああいう目になるよね、な目。

ジョーン・クロフォード、登場シーンも低めの声でいう「A boy」の一言で大の男を数人動かしちゃう男前さも、女も惚れるレベルでカッコよすぎる!

最後のあのシーンを描き切らないで「ハッ」とさせるのがよすぎていや〜な余韻にドバッと浸される。波打つところにチラッとだけ映る脚…………とってつけたようなハリウッド的ハッピーエンドなんて頭に入ってこないほど。

結局お前もか…というね。
この感じどこかで…そうそうニンフォマニアックが浮かびましたよ。フォントリアー好きそうだもんなぁ、このテーマ。


途中までキリストマンセー映画かと思ったけど、これってアンチキリストだよね…?この時代にこんなふうに風刺と皮肉まみれで描いちゃってて大丈夫だったんだ。当時の世間の反応はどうだったのか、出演者やスタッフはどんな気持ちだったのか気になるな〜。


雨の表現やカメラの撮り方が、どこかドイツ表現主義的というか実験的で詩的で好きでした。カッコいい!久々にいい映画を観た。やっぱりクラシック映画も大好き!



(ジョーン・クロフォード、いくつか作品観てるっぽいけど認識したのはお初でした。カッコいい!カッコよすぎる!久々にこれぞ女優!なカッコよさに惚れた………)