ちいさな泥棒

SHE SAID/シー・セッド その名を暴けのちいさな泥棒のレビュー・感想・評価

4.8
もう何回も何回も何回も何回も観た
スカッ!とするサクセスストーリーというよりは淡々と、だけど着実に進んでいく過程がなんだか好きで。最後はすっきりするけど、まだ始まりが始まっただけという若干の後味の悪さもある。でもそれがよくて一時期毎日毎日何回も何回も観てた。

同じ女性として誇れる、かっこいい、ただひたすら素晴らしいとしか言いようがない。

ちなみに余談ですがこの闘いの裏側で実際に起きていた残酷な事実。この運動に参加し自身も被害を受けた過去があると訴えた、医療ドラマで一時代人気を博したある女優さんが、悲惨な末路を迎えることになってしまった衝撃の動画を観た。どうして正直者が苦しめられるのか?苦しまなきゃならないのか?

被害を訴えた側なのになぜかバッシングの的になり、心身共に支障をきたして女優業はおろか社会復帰さえ難しくなってしまった。こんなことになるなら名乗りをあげるんじゃなかった、訴えるんじゃなかったと後悔していたらしい。

最悪なのは引きこもりになってしまった娘を放置し続けた親。面倒も見てもらえず心配した近所の人に通報され警察が乗りこんでみると、溢れかえったゴミ溜めのうえにうずもれて横ったわっていて、ろくに食べものも食べていなかったのかガリッガリに痩せていた(元々細かったのに)

人を見るとパニックを起こすようになっていたのか条件反射で警察を見てパニックを起こし痙攣と過呼吸で息ができなくなった彼女へ、警察は一生懸命「大丈夫、我々は安全だ。きみを心配している人がいるんだよ。その人たちが教えてくれたんだよ。きみを保護しにきたんだ。助けたいんだ」と話しても錯乱状態で、しまいに拳銃を警察に向けだした。緊迫の時間が流れて最終的には説得のかいもなく彼女は自身の頭を撃って亡くなってしまった…

警察が胸につけているカメラにその一部始終撮られていてその映像を観たのですが、正直者がバカを見る世の中ってほんとにうんざりすると涙が出た。

正義とは?
こうして立ち向かう人達が彼女の無念を晴らしてくれることを祈る。



◎ 去年観た覚え書き。