このレビューはネタバレを含みます
久しぶりに気持ちを持っていかれた。
終わった後も余韻が強く残っていて、なかなかおさまらず。
父と娘の楽しい旅の記録という一面として観れば、穏やかな、優しい、愛しい感情も湧いてくるけれど、
子どもと大人のちょっとした狭間にいる11歳の娘。
父親としては若いかもしれないけど、きっと1人の人としては色んなことを経験してきたんだろう父親。
当時の父親と同じ年齢になった娘。
それぞれの視点で考えてみると、期待、葛藤、切なさ、淋しさ、哀しみ、孤独感、やりきれなさ、無力感、怒り、、、なんとも言えない気持ちがたくさん湧いた。
心から大事だと思える人がいたとしても、覆らない思いや選択があるのは、まず1人の人だからで。
大人になるにつれ色んな役割や立場ができていって、それが喜ばしいことである一方で、とても窮屈に絶望的に感じられる時もあって。
何だったら誰だったらぴったり埋められて楽になれるんだろうって思ったけど、すごく難しくて。
心のどこかに抱えながら、なんとなくやり過ごしていく、うまくいけば次第に整理されて、赦せるようになっていくものなのかなあと思ったり。
できるなら、2人とも一緒にいたかっただろうなと思った。
でも、どちらにも「あなたは悪くないよ」って言ってあげたい気持ちにもなった。
結局うまく言語化できてないけど、素晴らしく胸に突き刺さる映画だった。