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aftersun/アフターサンのFrengersのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
3.9

このレビューはネタバレを含みます

視線の先にあるものに導かれる娘とそれを経験し幻滅を感じている父親。娘は徐々に大人になっていくのに、父親は幼児期の気持ちを取り戻し始める。それは同時に見る/見られることにより明らかになり、「見ることが出来ないもの」によって浮き彫りになる。締め出すことになるBlurの「Tender」(90sの末期)と爆音で鳴らされるQueen&David Bowieの「Under Pressure」 (80年初頭)。大人になり切れない世代と賢くなっていく世代の対比(やっぱり『カモン・カモン』を思い出させる)…
画面向かって右から左に流れていた景色が右に流れていき、『父ありき』を思わせる親子の同じ動きの背中のショットを経過しすっかり寄り添いあったと思いきや、ソフィが大人(父親と同じ年齢)になりラストの長回しによって寧ろ20年が前景化し断絶する。そして過去は結晶化する。涙。
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