このレビューはネタバレを含みます
余白が多い映画で、最近観た『TAR/ター』とどうしても比較してしまう。TARは余白の中に確度が高いものが色々詰まっているイメージ。一方で本作は確かに余白があるがその中にあまり詰まっていないように思えた。思わせぶりなモチーフがいろいろ出てくるけど、提示されているものからはロジカルに推測できないように感じて少しモヤモヤした。自伝ではないと監督はインタビューで答えているが、きっと実体験が色濃く反映されているんだろう。時間を置いてもう一度観れば違った感想を持つかもしれない。
Under Pressureであんなふうに踊るか?って思ったが、最後の歌詞に気付いてなるほど~と。別の音と混ざり合って物悲しい気持ちになりつつ、でもやっぱり曲(やMV)のイメージがシチュエーションと合ってないようにも思い、複雑な気分だった。
構図とかカメラの切り替わりは印象に残ったところが多かった。それとソフィ役の子の演技が良かった。楽しい一日だったはずなのに、一日の終わりにネガティブな感情が沸き起こることって子供の頃はあったなあと思い出した。ただ、そういうノスタルジーよりも悲しさが残る作品だった。
(追記)
考え直してみたが、やっぱり父は死んでしまったか失踪してしまったんだろうな。想像上の世界であろうレイブに戻っていくということは。