このレビューはネタバレを含みます
記憶・思い出を巡る物語。
多くは語られない作品ですが、ひとつひとつの描写が心に深く染み込んでいきます。
徐々に浮かび上がるポラロイド写真。
無理して買った絨毯。
洗面台の鏡。
父の記憶と共に、全てがまさに「アフターサン」=日焼け跡のように、ヒリヒリと残っています。
ソフィは父のビデオを何度も繰り返し見ているというよりは、あの時の彼の年齢に自分がなったことで、ようやく見ることができるようになったのかな。
幼き自分が、あの時の父にできることが何かあったのだろうか。
父はあの時、何を思っていたのだろうか。何に苦しんでいたのだろうか。
今なら、彼にとってもう少し生きやすい時代なのだろうか。
いくら考えても答えは出ず、思い出だけが残ります。
あのラスト、そしてアンダー・プレッシャーがしばらくは頭から離れません。