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aftersun/アフターサンのogのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

こんなにやるせない映画とは思わなかった……
11歳のソフィにはわからなかったけれど、今のソフィには「こうだったのかもしれない」と想像し得る(観客には明かされない)事実があることを感じさせる映画だったな。それも観客の想像でしかないんだけど。

調べたらスコットランドは同性婚が認められたのが2022年で、映画の制作も2022年なんですね。そう考えると現在のソフィは別の土地で暮らしてるんだろうな。
ソフィが男性同士のキスを見ているシーンがあったり、カラムとソフィがアンダープレッシャーで踊っているシーンがあったりと、カラムが同性愛者だったことを想像させるところもある。だからカラムはエディンバラを「故郷と感じたことはない」と言ってたんじゃないか…とか思ったりした。
自分も結局スコットランドを出たけど、もしかして父がああ言っていたのはそういうことだったのか…と考えていたのかな。

映画では描かれてないのに、カラムはもうこの世にはいないのかもしれないなとか、生きていたとしてもカラムとソフィが会うことはこのバカンス以降なかったんだろうなとか思わせるヒリヒリ感。
なんというか、カラムはこの最後のバカンスのおかげで限界ギリギリのところで自分の心が崩壊しないよう保ってる感じがしたんだよな。ソフィと少し仲違いしただけで衝動的に夜の海に入っていってしまうくらいギリギリの状態だったってことなんだよね。
ソフィが知らない人に声をかけてみんなでバースデーソングを歌ってくれたあとに嗚咽を漏らしてる背中、やるせなさやどうしようもなさ、息苦しさに満ちててな〜……こんな誕生日の映画はじめて見たよ…。
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