このレビューはネタバレを含みます
良かったけど、寂しすぎて悲しくなってしまう…。
本編後半の、ホテルの部屋の鏡とビデオの映像とテレビ画面の映り込みを利用したシーンの、計算し尽くされた画面に驚きました。
端々に情報が散りばめられているので、複数回観た方が理解しやすい作品ですね。
追記
2回目鑑賞。寂しくて辛いから、大好き！とは言えないんだけど、やっぱりじわじわと良い作品だなと思えてくる。
紹介文などで、“あの時、あなたの声が聞けたなら”という言葉を目にするけど、実際には子どもは親の悩みや葛藤なんか、知らなくて良いんですよ。
父の辛そうな姿なんか気付かずに“少し変わってるけど大好きなパパ”と思っているのが健全。ソフィの前で取り繕っていたカラムは正しいし、大人になったソフィが悔やむ事でもない。
可哀想だけれど、カラムの苦しみはカラムだけのものであって、娘が介入できる事ではなかったんだと思います。
大人として親としての自分に不安を感じる人間なので、最後の『Under Pressure』の歌詞とカラムのリンクする様に涙が出た。カラムも、自分の想いと関係なく過ぎていく時間や年を取る身体、育っていく子どもに焦りや怖れを感じていたんじゃないかな。
観た人によって感想や解釈は変わると思いますが、自分はカラムの辛そうなところに心がシンクロしてしまい、惹かれるけれどもしんどい作品でした。
