このレビューはネタバレを含みます
【soutaの映画つぶやき No.1116】
"aftersun / アフターサン"
11歳の少女ソフィは父カラムと2人でトルコのリゾート地で夏休みを過ごしている。悩みを抱えながらも陽気に振る舞う父カラムとのかけがえのないひと時の記憶。
強い後悔を抱えている様子の娘が20年前のビデオテープに映す父に思い馳せる。ラストシーンに震える、テープ越しに過去と現在、父と娘が繋がったように思えた。
淡い質感の映像の中に死の匂いと危うさを感じさせる。自殺だと言及されてないが喪失感は確かに存在している。カラムが死んだと仮定し、それは20年前のバカンス直後なのかそれともごく最近の事なのか。20年間ソフィは父の死を悔やみ続けビデオテープを見てる可能性も、最近亡くした父との記憶を呼び起こす為に再生してる可能性だってある。考察の余地と空白が良くて、受け取り方で見る印象が変わると思う。
この刹那な思い出を現在のソフィはどう思ってるのだろう。どう思ってるにしろテープに映っているのは間違いなく父と娘のかけがえのない愛おしい数日間の記録だった。