ジェ

aftersun/アフターサンのジェのネタバレレビュー・内容・結末

aftersun/アフターサン(2022年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

淡々と父親と娘のバケーションを見せられて、2回途中で挫折した映画。

3回目にしてしっかりイヤホンをして、鑑賞したら、
繊細な自然の音で、現実感を増して感じられて、没入できた。

ただボーッと空を眺めたり、なんてことのない会話だったり、空気の音であったり、水の音であったり、自分の思い出の中からリンクしたものが引き出されて映像の空気感が肌に感じられるようだった。

父親と娘の思い出のシーンは、ほぼ正面で撮っておらず、鏡越しだったら、ビデオ越しだったり、テレビの画面越しだったり、なんとなく心に残っている思い出って、そんな感じのフィルター越しだな、と。

観終えた後、感じたことはただボーッとしている映画ではなく、その綺麗な思い出に楽しい父親という像だけでなく脆さもふんだんにある。

きっと娘はあれ以降、父親とは会えてないのかもしれないし、ほんの少しの描写しか出てこないが、大人になった娘が父親のことを少し理解したような気がして、胸が張り裂けそうになった。

とても繊細な感情に寄り添う表現力が豊かな映画。
ジェ

ジェ