映画『葬送のカーネーション』
トルコ映画。
運転席の汚れた窓・・・冒頭のショットから信用できる作り手だなと判断できる映像。
監督は新鋭ベキル・ビュルビュル。
舞台はトルコ南東部。亡き妻を故郷に埋葬するため、棺を背負い旅をする老人とその孫娘。2人はほぼ喋らないが、ヒッチハイクをしながら出会う人は「生きる」とは何かを考えさせる言葉を吐く。
目指す国境がどこかとは描かれず、どこでも当てはまるように描かれている。老人と孫は難民で故郷の紛争地域を目指している。この2人が失ったのは棺桶のおあばちゃんだけではないだろう。行間に様々な事を想像する。
孫娘を演じるのは、シャム・セリフ・ゼイダン。2010年シリア生まれで、内戦で2017年にトルコに移住した移民である。この映画は初めて演技経験。夢はプロの女優になること。