あまのうずめ

ファイブ・デビルズのあまのうずめのレビュー・感想・評価

ファイブ・デビルズ(2021年製作の映画)
3.6
母ジョアンヌのウォーターエアロビの講習を手伝った後、娘のヴィッキーは寒中水泳にも付いて行き母の匂いの着いたワセリンを瓶に入れる。その帰り母が車を離れるとヴィッキーはクラスメイトに、髪型から"トイレブラシ"と囃され虐められる。ヴィッキーは特殊な嗅覚を持っていて様々な匂いを集めている。

▶︎匂いによるタイムリープものに、マイノリティ問題、村社会も含めたサスペンスタッチになっているが、最早ジャンル分けなど必要無いとばかりに魅せて来る手腕に新しいものを感じた。

「パリ13区」ではセリーヌ・シアマと共に脚本を手掛け、今作は「シャイニング」や「ツインピークス」等に触発されたと言う。森と湖に囲まれた小さな村の設定や"片目のナディーン"も登場することからも納得する。

映像の美しさと強さ、それぞれの視線やヴィッキーの目が印象的。

細かい設定の疑問や説明不足ではと思う箇所が多く進むに連れストレスが膨らみ、登場人物の誰一人にも感情移入出来ない中のラストシーンだけはキュンとするのが救い。だがラストのラストに.....?