味噌のカツオ

「ウルトラセブン」55周年記念 4K特別上映の味噌のカツオのレビュー・感想・評価

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「ウルトラセブン」の4K版を映画館で見られるチャンスだということで行ってまいりました。
まぁ見るだけならDVDやら配信やらもありますが。映画館で独特な没入感を持って、集中して鑑賞しましょうと。結構お客さんも入っていました。

セブンの中でも“怪獣”に特化するなら、エレキング、キングジョー、クレージーゴンなどがピックアップされそうだし。
エピソード的には、メトロン星人、ガッツ星人、にせウルトラセブンなんかがフィーチャーされても良さそうなんだけど。

今回選ばれたラインナップは、何やら昨今の時世にも通じるエピソードのような感じもしますね。
強力な兵器開発や ある計画のために送り込まれたものの、母国から切り捨てられてしまうとか。

ベタに言うなら、物語の展開は雑ですよ。現在の標準で見るならね。
でも本編23分の放送時間内でそうしたテーマやメッセージを入れ込むとなると、そうなることでしょう。

おそらく今の時代に このようなドラマを放送しても、アラがあればツッコんだり指摘されたりするし。
説明不足で何が言いたいのかわからない…なんて評価もされそうだけど。

逆に言うなら、限られた時間内で要点だけ語ったり、大事な描写が入っていなかったとしても、そこを視聴者が行間を読んだり補完したりすることで完成するものなのかもしれません。
そうすることで、視聴者の想像力が鍛えられるところもあるんじゃないかなと考えてしまいますし。

なんならヘタな番組を作って放送時間を埋めるよりも、こうしたコンテンツを再放送する方が、意義深いんじゃないかと。
スポンサー筋、権利関係、適切ではない描写…いろいろ問題はあるのでしょうが。

「超兵器R1号」の作中、より強い破壊兵器を作り続けるという構想にダンが語る「血を吐きながら続ける、悲しいマラソンですよ」というのは、刺さりましたね。

そうやって“セブン”が警鐘を鳴らしたにもかかわらず、55年経った今でも同じように届いてしまうこのセリフ。
何も変わらない地球が悲し過ぎるよね。

そんな「ウルトラセブン」。ウルトラシリーズの中でも そうした社会性の強いものだとの認識はありましたが。思ってた以上にアツいドラマでありました。


どうでもいいことかもしれませんが、桐山、古橋、曽我、天城ではなく。
キリヤマ、フルハシ、ソガ、アマギという表記がなんかいいね。
子どもが見るものだからってだけのことかもしれないけど。
味噌のカツオ

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