りっく

リオ・ブラボーのりっくのレビュー・感想・評価

リオ・ブラボー(1959年製作の映画)
4.5
リアリズム西部劇の傑作と評された「真昼の決闘」のアンチテーゼとして制作された本作は、社会性を持たず、観客を楽しませることが最大のテーマであり、目の高さに固定されたカメラ、スピーディーなアクション、練られた簡潔なセリフの応酬といったスタイルで、自分好みの非日常的世界を構築している。

誰もかなう者のいないタフな保安官ジョンウェイン、アルコール依存症の拳銃使いディーンマーティン、頭の切れる若者リッキーネルソン、足の不自由な老人ウォルターブレナンという仲間とともに悪漢たちと闘い、そこに旅の女トウェインの恋愛が絡むという他愛のないものだが、プロの男たちの戦いと男同士の友情物語に仕上げる。

ゆったりとしたテンポと、それを生む主人公たちののどかさが最大の特徴。ウェインがマーティンを依存症から救い出す場面や、四人が冗談や歌に興じる場面を丁寧に描くことで友情のすばらしさをうたっており、それはまるでピクニックを楽しんでいるような印象を受ける。また敵と闘う時も、ゲームに興じるような雰囲気があり、それがすこぶる楽しいのである。
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