マリリン

イタリア旅行のマリリンのレビュー・感想・評価

イタリア旅行(1953年製作の映画)
3.5
【ヌーベル・バーグの基盤】
「男と女と一台の車とカメラがあれば映画は成立する」ということを立証した作品。ゴダールなどのヌーベルバーグを代表する作家に影響を与えた。
イタリアを旅行中の夫婦の関係が徐々に崩壊していく様子が描かれている。観光や知り合いとの食事など、旅行中の様々な出来事の水面下でうごめく夫婦の本音や相手への不信感。表向きは仲良くしているし、初めは面と向かって喧嘩するわけないのがとてもリアル。相手を傷つけたくないし、自分も本音を晒して傷つきたくない。そんな波風を立てまいとする心情は大人のカップルのあるあるである。
日常生活では気付かなかったことが旅行中に発覚することは良くあること。ドラマチックな展開を重視していた映画というものに、新しい風を吹き込んだ名作。
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