イタリア旅行の作品情報・感想・評価

「イタリア旅行」に投稿された感想・評価

もた

もたの感想・評価

3.4
車窓ショットのモンタージュ。贅肉を削ぎ落とした、シンプルかつソリッドな映画。夫婦関係が危機的な状況に陥るきっかけが良い。
夫が身勝手している間、一人であちこち観光して余計イライラを募らせるキャサリン。不幸には違いないのだがなんとなく可笑しい。夜遅く帰って来た彼に対し、敢えてうなされて眠っていたふりをしたのは、他人行儀になって素直に振る舞えなくなったためか。彼の気を引こうとしたのか。単純に、起きていたらまた口論になりそうで疎ましかったからか

関係回復のステップはポンペイ遺跡→祭の二段構え。それで回復するんだ
commonlaw

commonlawの感想・評価

4.5
圧倒的傑作。いたるところに死が顔を見せる町で、倦怠期の夫婦が壮大に祝福される。とにかく微妙なセンスが素晴らしい、どうしてあの女は片脚を骨折していたのだろう。
しゃび

しゃびの感想・評価

3.5
「男と女と一台の車とカメラがあれば映画ができる」

この映画を評してゴダールは言ったそうです。
この言葉は単に「シンプルな形でも映画って成立するよね。」ってことだけではなくて、「男と女って今まで描かれてこなかったよね。」という意味でもあるような気がします。
これまでの映画は「ある男と女にまつわる映画」ではあったけど、「男と女の映画」ではなかった。

そういう意味で、『イタリア旅行』は映画がその歴史上避けることができなかった、「出来事のジレンマ」みたいなものに、深く切り込んだ作品ではないでしょうか。

興行的に成功しなかった理由はそこにもあると思います。

この物語には多くの登場人物が出てきますが、主人公の夫婦以外に特に存在意義がありません。2人をお互いに嫉妬させ、引き離すためのただの記号のようなものです。それを象徴してるのが、ラストの群衆なのでしょう。

まさにヌーベルヴァーグの父ここにありですね。

実際の男と女も大概あんな感じなのかも。
ジョージ・サンダース扮するアレクサンダーの、子供としか思えない言動や行動。当時イングリッド・バーグマンの実の配偶者であったロッセリーニも、こんな感じだったのかもしれませんね。
TOT

TOTの感想・評価

4.0
ロンドン在住夫婦が旅に出た途端にギクシャクし、他人のように感じる。
世間に取り繕っても鬱憤が増す会話と、車窓からの活気あるイタリア風景の連続。
更に夫婦関係の破綻とカタコンベや遺跡といった死のイメージが重なり、祝祭的空間が対比する。
なんて偉大な映画的運動!
イングリッド・バーグマンの揺らぎ演技が素晴らしく、ジョージ・サンダースの何考えてるかわからなさが余計にバーグマンの揺らぎを増幅させて不安になる。
最終的には、ふたりで勝手にしやがれ感がまた面白い。
ロッセリーニもちゃんと観なきゃ。
車窓からの景色がずっとよい
夫に見せなきゃって二眼で写真撮るのかわいい
今と変わんないんだなっておもた


彼女と雰囲気悪くなるとまじでこんな感じだから、あ〜これ知ってる〜ってたくさんなりまひた……
もう嫌いじゃ!ぷんすか!ってなったらもう一度観ますね……
ロッセリーニも結構作品毎に出来が激しい監督の一人だけど、ゴダールが影響を受けただけあってこの作品はヌーヴェルヴァーグの先駆け然とした傑作となっている。

イングリット・バーグマンとジョージ・サンダースが夫婦を演じてて英語を話さないという不思議さは気になったけど、倦怠期に突入した夫婦の描写を軸に展開する様子には良い意味でドラマ性が感じられず、こういう描写の連続で展開していく映画っていうのはロメールやホン・サンスの作品がそうであるように情緒的で説明的な面が一切無いのが素晴らしい。

車から見える風景がどれも生活感溢れるもので実に眩しいのもまた素晴らしく、やはりロッセリーニはネオレアリズモの先駆者だけに人間が自然に映る場面作りに秀でているなと改めて感じた。

ロッセリーニの一番エポックメイキングな代表作は間違いなく無防備都市だろうが、この作品もヌーヴェルヴァーグの前身として時代の先を行っていた、映画史において実に重要な傑作だろう。

ところで中盤イングリット・バーグマンが彫刻群を眺めるシーンには後の君の名前で僕を呼んでに通じる要素があったように思えたが、傑作にはこういう後の作品に繋がっているであろう描写が多いから発見の為に度々見る必要があるなとつくづく思う。
眠かった。本当にイタリア旅行してた。
天井桟敷の人々をハッピーに仕上げたようなラストの群衆のシーンは幸せだった。
【ヌーベル・バーグの基盤】
「男と女と一台の車とカメラがあれば映画は成立する」ということを立証した作品。ゴダールなどのヌーベルバーグを代表する作家に影響を与えた。
イタリアを旅行中の夫婦の関係が徐々に崩壊していく様子が描かれている。観光や知り合いとの食事など、旅行中の様々な出来事の水面下でうごめく夫婦の本音や相手への不信感。表向きは仲良くしているし、初めは面と向かって喧嘩するわけないのがとてもリアル。相手を傷つけたくないし、自分も本音を晒して傷つきたくない。そんな波風を立てまいとする心情は大人のカップルのあるあるである。
日常生活では気付かなかったことが旅行中に発覚することは良くあること。ドラマチックな展開を重視していた映画というものに、新しい風を吹き込んだ名作。
ロッセリーニ苦手やわ~……。イタリアって風光明媚なイメージがありますが、観光シーンはやたら荒涼として死を連想させる場所ばかり見て回るw終わりかけた夫婦関係や妻の心情に重なって面白い。「子供ができなかったことが離婚の原因ね」と言った直後にワラワラ子供が出てきて元サヤに戻るというオチ。
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