2020

アイアム・ア・コメディアンの2020のネタバレレビュー・内容・結末

3.0

このレビューはネタバレを含みます

監督はもともとバラエティとかで村本さんと組んでたり親交のある方なのかな?
何故今彼を追いかけたのか、がもうちょっと見えて来たら良かったかなとは思った。
(調べたら今もう渡米されてるみたいですね。なんかそういう最新情報は普通に欲しかったなーとは思った。)


正直、村本さんのネタがこの映画の中に出て来たものだけだとどこか合気道感があるというか、取材をもとに自分の見てきた世の中のアンタッチャブルな部分を伝える伝道師になっているだけのように見えてしまっていて、このイバラの道を選んだという覚悟は凄く感じるしめちゃくちゃ凄い事をやっているとは思うけど、もっと自分のルーツをこんな風に笑いにしましたよという村本さんのネタそのもののもっとディープな部分を見たかったのはある。
チラチラとは語られていたけど、地元が原発で潤っている町という事だったり、幼少期の孤独であったり、そういうところはもっと見たかった。
家族に迷惑がかかるけど信念を貫き通すためにやっているとか、そういうもがきやあがきが映っていたのは凄いなとは思うけど、チラチラカメラを凄く意識されていたし、芸風があんな感じのエンターティナーだし、どこか作為的になってしまっていて、カットしたシーンも普通のドキュメンタリー撮影より割合多そうだし、なかなかリアルを暴くには一筋縄ではいかない方なんでしょう、とは思ったから難しかったのかなとは思ったけど。

ただ、そういうルーツの部分とか、それこそ今回だとお父様の死をステージで語られていたけど、めちゃくちゃ嫌な見方をすると、そういうテーマってもちろん辛いししんどい、けどコメディアンにとっては超オイシイギフトのようなものでもあると思うから、なかなか第三者視点でそこの答えを出すような取材や編集は責任を追いきれない部分はあるのかもしれませんね。村本さん自身が監督をしない限りは。
ネタそのものがその時点の村本さんの答えであり監督作ではあるんだろうけど。
ルーツだったり人生や思想のコアの部分をネタとして扱うのならちゃんと昇華してギフトだったという事に仕上げないといけないわけで、それは腕だったり信条にもよる諸刃の刃ではあるとはもちろん思うから、ちゃんと向き合ってぶつかっている村本さんは勇気のある人だなと感じた。凄い。


それにしても、普通に考えたら、テレビの仕事を失うことは怖いことだと思うけど、そこを恐れずに自分の信じるお笑いのスタイルを突き進んでいる姿が見られたことは、プロジェクトXを見た後のような勇気のもらえる作品だった。
とはいえテレビを見てる人も減ってる説もあるし、テレビ出てる出てないが人気だったり影響力のバロメーターになってる時代でもないのかなと。
そういう意味では昭和平成の物差しで作られた作品ではあると思った。

ただ、これを映画=ビジネスとして考えた時に、どうやってより多くのお客さんに見に来てもらうか、ですよね、、、。
単純にファンムービーというか、村本さんのことが少しでも気になっていたり、好きだったり嫌いだったり、彼を見ている人、見ようとする人は勝手に見にくるだろうけど、、、村本さんのマンパワーに頼るしかないという感じがありますよね。

もっと村本さんの目指すような風刺だったりそういうスタイルが公共のテレビだったりおおきなメディアで自由にやれる土壌が育つといいなと思うし、その一助になる作品になればいいなと思う。
こういう作品がどんどん数多く世の中に放たれていってある種のジャンルとしてのアンタッチャブル感みたいなのが少しでも世の中から無くなっていけばいいなと思いました。
そういう意味では、続編としてこういうアメリカンスタイルというか、風刺系のジャンルを突き進む芸人さんを複数人追いかけたオムニバス系のドキュメンタリーを作る手もあるのかもしれない。
これからのアメリカでの活躍が楽しみ!


そして、村本さんが憧れるようになったアメリカのレジェンドコメディアンの事も調べてみようと思いましたね。

あと、普通に相方のパラダイスさんが語る村本さんも見たかったりパラダイスさんのドキュメントが見たいとも思いましたね。
相方がどんどん変化していった男という視点で。
annkwリスナー的には諸悪の根源的なキャラクターもあるけど実際どんな人なのか全く知らないし😆


後で書く。
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