叡福寺清子

理想郷の叡福寺清子のレビュー・感想・評価

理想郷(2022年製作の映画)
3.7
教師を退職したアントワーヌさんが終の棲家と定めたのが,スペインの寒村.奥様のオルガさんと共に移住し,有機農業に勤しみつつ,朽廃をリフォームして移住者を誘致する取り組みを行っています.そんな寒村に降って湧いたのが,風力発電開発計画.風車を設置する事で得られる助成金に,困窮していた地元住民は大いに沸き立ちます.が,計画に待ったをかけたのが,寒村に移住してわずかニ年のアントワーヌさんでした.ただでさえ余所者に厳しい寒村なのに,さらに助成金が入手できない事の元凶となったアントワーヌさん.それ以来地元,特に隣人の酪農兄弟による嫌がらせが激化し,ついには・・・

本作において,これだから田舎もんは・・・と批判するのは簡単でしょう.ですが,限界集落間近の寒村に,巨額の助成金が舞い込んでくる,やったぜベイビー!えっアントんちが反対してて計画保留だと!!!!!!!!!!!,で怒り心頭になるのは当然の事でしょう.またアント御夫妻が地元民だったならともかく,移住してたったのニ年ですよ.そりゃキレますよ.いくらアントワーヌさんが理屈で説得しようとしたって,余計に話をこじらせるだけです.嫌がらせはともかく,心情的には私は田舎もんに寄り添いたいですね.そしてアントワーヌさんも,ちゃんと地元民に分からせる為の努力を怠っているように見えましたが,さすがにそれは言い過ぎかしら.これだからインテリは駄目なんです.地元民がわからないことが,わかってないんですから.

ここまでは理解できる話.なのですが,ある事件が発生したその後,寒村にやってきた娘のマリーさんとの親子喧嘩における,マリーさんの理屈が全く理解できませんでした.いや,そりゃ娘のあんたが悪い!!ってなりましたね,あたしゃ.せっかく綺麗なおっぱいされてるのに,なんでそんなトチ狂った人権感覚なんですか・・・ってフランス人にそんな事言っても無駄か.まさかスペインの偏屈な田舎者よりも,フランス人のほうがアタオカとは思いもよりませんでした.これだからフランス人は・・・
以上,現場から三遊亭呼延灼がお伝えしました.スタヂオのヴィトンさーーん.御返ししまーーっす.