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情無用のジャンゴのHKのレビュー・感想・評価

情無用のジャンゴ(1966年製作の映画)
3.2
CSの「特集:ジャンゴたち!」からの録画鑑賞2本目。
例によって他の“ジャンゴ”映画とはなんの関係もありません。
しかも、イタリア語の原題は“Se sei vivo spara”(生きているなら撃て)ですが、英語版タイトルは“Django Kill”もしくは“Django Kill!... If You Live, Shoot!” (ジャンゴ殺せ!…生きているなら撃て!)、となぜか“ジャンゴ”が入っています。
ちなみに劇中で主人公の名前は出てこないので、好きな名前を後付けし放題。

しかし本作は今回観た4本の“ジャンゴ”映画の中でファンが最も多いカルト的人気作とか。
主人公のジャンゴ(?)はマカロニではお馴染みのトーマス・ミリアン。
この人マカロニで小汚い役ばかりやってますが、実はアクターズ・スタジオ出身の演技派。
以前、アンナ・カリーナやマリー・ラフォレ共演の『国境は燃えている』のイケメン主役ぶりに驚いた記憶があります。

オープニングは地面から瀕死の主人公(ミリアン)が這い出して来てまるでゾンビ映画。
序盤で主人公は仲間たちと金塊強奪した後に裏切られ、撃たれて埋められますが、急所は外れたらしく通りすがりのインディアンに助けられて怪しい手当てで奇跡の復活。
なぜか盗んだ金塊の一部で弾丸を鋳造して裏切った仲間と金塊を追います。
狼男が相手じゃあるまいしなぜ金の弾丸? あ、狼男は銀の弾丸か。

ラスボスと思った敵はあっさり死亡し、ラスボス候補が次から次に現れ、町はもはや悪者オンパレードで敵味方入り乱れての金塊争奪戦となります。
拷問などの残酷描写がけっこう多いのと、妙にシュールな展開がマニアには人気なんでしょうが、やはり堅気の人にはおススメするのがためらわれる作品です。

なんと当時17歳の美少年レイ(レイモンド)・ラブロック(『屋根の上のバイオリン弾き』『カサンドラクロス』)も出演。
ムッソリーニの黒シャツ隊を思わせる敵の男色の餌食という、この年で演じたら生涯トラウマ級の役を演じています。
ラブロックが出演した大昔の森永チョコフレークのTV-CMを知ってる人は私とご同輩。
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