情無用のジャンゴの作品情報・感想・評価

「情無用のジャンゴ」に投稿された感想・評価

このレビューはネタバレを含みます

1966年伊。原題"Se sei vivo spara(生きていたら撃て)"、英題"Django kill!(if you live shoot)"。情け無用なのはジャンゴじゃなくて周りの守銭奴なんだけど、火に包まれた狂女奥さん見捨てたのは、助けに行くのは無理だと分かっててもかわいそうだと思った。正統派西部劇では敵として描かれることの多いネイティブ・アメリカンがジャンゴを助けるのがよかった。彼らの頭皮を剥ぐかなりの残酷描写あり。主演のトーマス・ミリアンが、なめらかな褐色の肌に無精髭の、絶世の美男であった。
イシ

イシの感想・評価

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ゴールドをめぐる攻防といえば「チャップリン、キートン、グリフィス」でおなじみのレイモンド・グリフィス主演の「Hans up!」ですが、こちらはサイレントコメディじゃなくて普通にマカロニだよ!

オリジナル版は120分あるらしーんだけど、あんまりにも残!酷!描!写!なのでいっちゃんあからさまなところをカットした90分とか112分とかのものしか流通してないのよーって解説に書いてあった。
「シュルレアリスム・マカロニ・ウェスタン」
「マカロニ・ウェスタンの極北」
等と形容され、ホドロフスキー『エル・トポ』やジム・ジャームッシュ『デッドマン』にも多大なる影響を与えた作品らしい。

ウィリアム・S・バロウズの前衛ウェスタン小説『デッドロード』は主人公キム・カーソンズの死亡記事で始まり、キムをリーダーとする超人的な銃使い集団「ジョンソン・ファミリー」と大マフィアの殺し屋達の戦い、クトゥルフ宇宙、ゲイセックスに残酷描写と『情無用のジャンゴ』を見て何か共通のモノが感じたのですが、激しいカットバックやサブリミナル効果みたいな細かいカットの挿入は、ベルトリッチ監督作品を多く手掛けたエンリコ・アルマッチ編集によるもので、この実験的映像により本作を既存のマカロニ・ウェスタンとは一線を画すモノにしてるのですが、バロウズのカットアップ・フォールドインの実験的文学手法はそもそも映像のコラージュやモンタージュ等の実験的映像の手法を文学に取り入れたもので、これがまるで『情無用のジャンゴ』はバロウズの実験小説(の手法)を逆輸入して映画化みたいでホドロフスキーの『エル・トポ』や実現しなかった前衛西部劇『AvelCain』、西部劇と実験映画のミクスチャーのオリジナルとも言えるのがこの『情無用のジャンゴ』なのではと思いました。

前衛カルト西部劇。
冒頭、ゾンビの様に地中から這い出して来る主人公〝名無し〟

彼は強盗団一味で金塊強奪に成功するもメキシコとの混血を理由に同じく有色人種のメンバーと共に白人達の裏切りにあい殺されて埋められる。
インディアンに助けられインディオの秘術により復活した〝名無し〟はデッドマンとなり復讐を開始する。
ジャームッシュの『デッドマン』はほぼ本作のリメイクと言うかストーリー
も可也共通してる。
インディアンが生きたまま頭皮をナイフで剥がされるシーンはその構図もまんま『アンダルシアの犬』
奪った金塊を鋳造して作った「金の弾丸」はまさにマジカルアイテムで西部劇なのに主人公のガンアクションが極めて少なく此処ぞと言うシーンでしかこの金の弾丸を使わないのも普通の西部劇ではない異様な作品たらしめていると思います。

真っ白な砂漠に雲一つないスカイブルーの空は書割やCGの様。
〝名無し〟は人妻と関係を持ったりしますがこの辺の描写は非常におざなりで、寧ろ金塊を巡る争いで人質にされる美少年がヒロインの役割を果たしてます。
悪の支配下にある「地獄の街」が後半の舞台になるのですが、
街を牛耳る実力者ソロは三島由紀夫先生の「楯の会」みたいな揃いの黒い帽子黒いシャツの制服を着た一種のホモソーシャル集団「コウモリ団」を率いていて、この若者・ゴロツキ集団と〝名無し〟の戦いがクライマックスになるのですがコウモリ団に美少年が犯されたりする濃厚なゲイテイストやホモソーシャル集団等は同じくバロウズの小説『ワイルドボーイズ』にもゲイのカルト集団が登場しコレも又非常にバロウズ的です。

アレックス・コックスが本作のリメイクを熱望するも実現しなかったとか。
アレックス・コックスがバロウズの小説『デッドロード』を映画化したら本作を超える前衛実験西部劇になるのでは等とまた妄想するのでした。
dude

dudeの感想・評価

3.6
基本的には金の争奪戦だったはずだが段々何を見せられているのかよく分からなくなってくる。残酷描写はそこまでではなく、壁や廊下の気持ち悪さと、デカくて抑揚が不快な音楽が印象的(良い意味でと言っていいか分からないが)。パニック発作のような細かいカット割りなど、ひたすら嫌な感じがする。要再見。
櫨山

櫨山の感想・評価

4.1
もしもガンマンが流れ着いた街が想像を越えるキチガイタウンだったら……というお話。西部劇が好きな人より「ザ・チャイルド」とか「CURE」が好きな人にオススメしたい。

マカロニで「狂気と暴力の拡散」を描いた傑作。黒沢清っぽい。明らかに笑わせにきてる。

最後の子供のカットだけ意味がわからなかった……
金をめぐって争いごとが起きる物語
グッログロの映像が出てきたと思えばホラーみたいに町のみんながおかしいとかいろんな要素を盛り込んだ映画だった
いの

いのの感想・評価

4.5


なんか楽しい。死んでる人も楽しそうなんだもん。あの血の色にもすっかり慣れたし。
だってだってなんだもん。


さあ、残酷だけど楽しい、
欲とヘンテコと金GOLDにまみれた、
地獄の町にようこそ!

この町を訪れた者しか味わうことのできない、
倒錯した異様な世界が君を待っています♡
さあ、君は生きて帰ることが出来るのかな?





さて、
マカロニ・ウェスタンも観賞4作品目となりました。
まったくもってして門外漢な私が、ここまできました。
マカロニウェスタンって何なんだろうって考えつつ。
(すみません、根が真面目なもので)


えー、自国の歴史では語れない。自国の歴史で語るのは窮屈。窮屈すぎて、映画としては遊べない。でも、西部劇という様式を借りて物語を作れば、とっても自由に遊ぶことができる。どこまでも自由になれる。西部劇という様式を借りて、その中でアレコレ挑戦できる。その中では何でもアリ! マカロニには、どんな挑戦をも受けて立ってくれる器の広さというのか、底なしの器というのか(それじゃ器じゃない笑)、そんなこんなどんなが、ある。様式美のなかのNO様式美(もう何を言っているのか、自分でもわからないっちゃ)! 
素晴らしき借景! 素晴らしき新世界! 


そして、映画の中に一本の筋として通っている反骨精神が、観ている者の気持ちを何とも言えず高揚させる。しかも、自分(たち)を自分(たち)で笑い飛ばせる逞しさがある。例えば、気づけばいつも末端に位置し、そこから、やいのやいのと、調子こいて時折、反骨精神を片手に、その手をあげようとするものの、あげようとしたまさにその瞬間、ソッコー、無残にもやられてしまうような、そんな生活を送っているアタシのような者を、励ましてくれる。そして、そんなアタシに、自分で自分を笑って吹き飛ばしてしまえばいいのさ、って言ってくれるのだ。自我なんて、そんなめんどくせーものはいらないのだ。
マカロニ、もうちょっと行ってみます! 
春パスタも美味しいし。



最後にあともうひとつ
血の色が可笑しいことに私は救われます。
脱力系の血?
正直に申し上げると、体にメスを入れるシーンとか、今まで1度もちゃんと見たことがありませんでした。手で目を覆っちゃったりして。でも、この血の色なら大丈夫! 祝、人生初! 目をそらさずに見ることができましたあ! それもこれも血の色のおかげです。ありがとう! 
シズヲ

シズヲの感想・評価

4.3
なんだこれ……(恐怖)

オープニングからして何処と無くサイケだけど、出だしはまだよくある復讐劇っぽい。舞台が町に移った途端に何かがおかしくなる。倫理観の吹き飛んだ町民達、開始数十分で終わる復讐、主人公を巻き込んで始まる醜悪な抗争……マカロニのセオリーをぶちのめすような展開の連続でたまげる。明確なテーマがまるで見えてこない奇怪な話運びで、段々主人公さえ置いてけぼりにされてるように見えてくる。

突き抜けた悪趣味っぷりが凄まじい。ゴア描写は今になって見るとそんなにずば抜けてる訳ではないけど、まあ十分えげつない。妙におどろおどろしい撮り方や目まぐるしいカットの連続などシュールな演出も目立つ。意味もなく邪悪で倒錯的な町の描写も実に不気味で、終盤になるとますます歪にイカレてくる。もはや西部劇の皮を被ったサスペンスホラー。全編に渡って異様な空気が続くんだよなあ。

トーマス・ミリアンは洒落ててかっこいいけど、彼が脇役になるレベルで町民達のインパクトが強い。カスしかいない。町単位でカスだから凄い。途中からカス共の潰し合いになるのでもう救いようがない。とことん極端な不条理映画なんだけど、ここまで来ると正直新鮮で面白い。たまに思い出したかのようにマカロニっぽくなるのがちょっとおもろい。
カオスすぎ
みんなクズすぎてわろた
有名な銃弾摘出シーンに加え、頭の皮剥ぎなど残酷描写が中々ショッキング。馬を特攻させるとこも中々ひどい。

ラストのあいつの死にかたもわらった
殺しが静かにやって来るも異色の西部劇でしたがこちらもかなり異色の西部劇です。
西部劇にエログロナンセンスと文学要素を足したようなよくわからない作品ですね。
主人公が拷問されてあっさり吐くシーンはもはやギャグにしか見えません。
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