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マンティコア 怪物のregencyのレビュー・感想・評価

マンティコア 怪物(2022年製作の映画)
3.5
詳細レビュー↓
https://cinemarche.net/lovestory/manticora-matsu/

モンスター専門のゲームキャラクターデザインを手がける男が、隣人の少年を火事から救った事を機にパニック発作を発症。それがやがてマンティコア(怪物)を作り出してしまう…
人によっては奇異に感じたり、不快感を抱くかもしれない“偏愛”。欲望とも言い換えられるかもしれないそれは、当人自身も自覚がなかったりする。そもそも本作の監督カルロス・ベルムト自身、デビュー作『マジカル・ガール』から察せるように強い日本アニメ・マンガマニアであり、言い換えれば偏愛を持っている。本作でも『魔界村』、『ファンタスティック・プラネット』、伊藤潤二といった、自らの“偏愛”要素を要所に散りばめている。
偏愛が怪物化してしまう可能性は誰だってあるし、監督も「欲望を法律で取り締まる事はできないし、人は欲望を選ぶ事はできない」と語る。終盤での主人公の行動は、それこそゲーム上でモンスターと闘うプレイヤーのように、怪物=マンティコアを止めるための手段だったのか。でもその怪物は本当に退治されねばならないものだったのか?
結末を不快に感じる人は一定数いるだろうけど、語りがいがあるのは間違いない一本。
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