Mackeyホンダ

ハート・オブ・ストーンのMackeyホンダのレビュー・感想・評価

ハート・オブ・ストーン(2023年製作の映画)
3.3
主人公「権力やお金じゃ手に入らないものがある」
悪者「なんだ?」
主人公「本当の意味での味方よ!!」

これは少年ジャンプのマンガじゃない。NETFLIXの巨大な資本で製作された最新鋭のスパイ映画だ。

ガル・ガドットを主演に据えた「女性版ミッション・インポッシブル」という触れ込みだから、「美女スパコロもの」(スパイ・殺し屋もの/造語)マニアとしては素通りできない。期待を込めて再生ボタンを押した。

序盤はなかなか期待させる展開だった。

"ちょっと頼りないMI6の新人諜報員が実は超最先端技術を使いこなすスーパースパイで、同僚に隠れながらチームのミッションを成功に導く"

……という設定が、なんかウルトラマンみたいでワクワクした。なるほど、そういう構造ね。

ところが、「面白そうじゃん」と前のめりになったところですぐにスーパースパイであることが同僚にバレ、あとはなし崩しに普通の「ミッション・インポッシブル」になってしまった。「ウルトラマン設定」でもう少し観ていたかったなあ。

まあ、もともとそういう触れ込みだし、ネトフリ見放題で「普通の『ミッション・インポッシブル』」のクオリティが観られちゃうってところが既にすごいんだけど、ハードル上げすぎちゃったかな。

美しいガル様がとんでもないドラテクを見せつけても、華麗な格闘やガンアクションで敵を圧倒しても、遥か上空で飛行機に飛び乗っても、パラシュートなしで飛び降りても、なーんか物足りなく感じてしまった。

ホントに「ミッション・インポッシブル」じゃん!
ただのイーサン・ハントじゃん!
ってなる。

いや、ガル様は悪くなかった。体つきも強そうだし、(どこからどこまでスタントかわからないが)動きもキレキレだった。ただなあ……。

還暦トムの「ミッション・インポッシブル」には、どうしてもちょっと見劣りしちゃう。

あの超大作と比較するのはフェアじゃないけれど、比較できちゃうほどにクオリティが高かったのが、個人的には逆に邪魔になってしまったかもしれない。作り手にとっては理不尽かもしれないが、こういう感覚ってあるんだよ。ごめん。

で、冒頭に挙げたあのセリフだ。
まるで少年ジャンプのような青臭いセリフで、一気に冷めてしまった、というのが本音。

一度、もっとスケールがこじんまりしたいつもの「美女スパコロもの」で、脳をリセットする必要がありそうだ。
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