Mackeyホンダ

ファイナル・ガールズ 惨劇のシナリオのMackeyホンダのレビュー・感想・評価

3.1
最近は立て続けにティーン向けホラーばかり観ているせいで、当然サブスクのサジェストには似たようなホラーばかり上がる。たまには別のジャンルを再生して傾向を変えたいけれど、予告編を見たら今回も抗えなかった。

だって主演が、"推しエクソシスト"であるシスター・アイリーン(「死霊館のシスター」)ことタイッサ・ファーミガちゃんだったし。(9年前のタイッサは現在に増して清楚で神聖だった)

久しぶりに「ザ・B級ホラー」を観たという感じ。

明らかに低予算なのに、何とかアイディアで逆転してやろうという気概を感じた。映像クオリティは低いけれど、懐かしい世界観は嫌いじゃない。

ジャンルとしては正直「ホラー」と括るには怖い場面は皆無だし、圧倒的に血量が足りない。「主人公たちがスラッシャー映画の世界に入り込んでしまい、登場人物に加わってしまった!」……という異世界アドベンチャーといったところ。ホラーファンなら誰でも一度は考えたことのあるような想像を、そのまま設定にしているというのがストレートでいいね。興味は沸いたし、ちゃんと最後まで観た。

随所で見られるメタギャグが笑えた。

● 登場人物を殺人鬼の犠牲者にさせないために「エッチするのを妨害する」という謎ルール(ホラー映画ではエッチした若者から殺されるというお約束がある)や、
● 映画の中の世界だから、 突然モノクロの回想シーンに入ったときに、登場人物が「なになに、ここどこ?」とか、空から語りが聴こえてきて「え、この声は何?」とか、
● ジェイソン的な不気味BGM(シャッシャッシャッ……ハッハッハッ……)が聴こえてくると「あ、近くに来てるわよ!」とか、
● アクションシーンのスロー演出の時に、「こーれーはーなーにー?」「スーローーーモーーショーーンよーーーー」とか。

コメディシーンはけっこう好みなセンスだった。笑った回数は多かった気がする。

ただラストで、取ってつけたような家族系お涙頂戴があって、それがあまりに陳腐で冷めた。こんなんだったら、個人的には、最後までオモシロだけで乗り切ってほしかったなあ。

全体的には、タイッサの魅力と、設定の面白さと、ギャグのセンスと、チープな映像のエモさで十分に楽しめた。91分は長くない。
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