飢饉に襲われたアイルランドで、4ヶ月間も絶食しているという女の子アナを観察することになった看護師。奇跡かそれとも…？看護師が見つけた真実と答えとは。
冒頭とラストのシーンがとても印象的。どういう始まりなの？と思ったけど、見進めていくとこの作品が伝えたいメッセージが分かって納得した。
私たちはみんな物語の中で生きている…作られた物語も、信じれば本物になってしまうのね…。
単純に言うとこの作品は、看護師エリザベスと一緒に"食べない女の子が食べない理由"を探す話だけど、問題はもっと大きくて暗くて根深いことが分かる。
家族と村全体でアナを"聖人"に仕立て上げているなんて本当にバカらしいけど、1番悪いのは母親だと思った。娘は何も悪くないのに、宗教にかこつけて全てを押し付けてて信じられない。
宗教色が強くて「やっぱり宗教って怖い」って思うけど、この作品が伝えたいのはそれだけじゃなくて、罪の意識や後悔、悲しみ、飢え、信念…そういう全てが何かを妄信的に信じる理由になり得るってことなんじゃないかなと個人的には感じた。
主演のフローレンス・ピューの感情を抑えたお芝居が素晴らしかった！こういうシリアスで確かな演技力が必要な作品がピッタリ。ただ時代背景的にもう少し痩せていても良かったかも？
アナを演じた子は、母親役の女優さんの実の娘さんだそう。どおりで似てると思った。
映像とBGMも作風にとても合っていて良かったし、始終暗いけど希望の持てるラストでスッキリ終われました。
いろいろ考えさせられる作品です。
