2023年39本目
寸借詐欺家族。
「いや、家族がそんなに大切なら、お前がちゃんとして仕事探せよ、無理ならセーフティネットを活用しろよ」と数十回思うこと1時間以上。一度社会の「普通」から零れ落ちてしまうと、復帰は難しいのだろうか。気力すら無くなるのだろうか。おそらくあの気性からすると受け入れ先は限られるのだろうけれど、支援者は必ず社会に存在するのに。
貧困と困窮で視野が狭まるとそこにある希望や選択肢すら見えなくなる。心身の健康も蝕まれていくと、見えるのは目の前のみ。
いちいち周りのモブが全員役立たずなのは、話を進めるための駒だからか。主人公たちから見た無能さを表すのか。
『パラサイト』のように感情の大波に触れるようなエンタメを期待すると肩透かしだが、「零れ落ちた者」を考えるには良いかもしれない。ただ、128分は間延びする。