喵來

自由への道の喵來のレビュー・感想・評価

自由への道(2022年製作の映画)
4.6
前半はタイトルthe swampでもいいんじゃねえかってくらい沼地を脱げまどう映画だった(そして一瞬サメ映画)
「解放」ではなくまだまだ「逃亡」でしかない。白人にとっても黒人にとっても。
そして本当の「解放」を勝ち取るために闘う後半
それも白人の手のひらで転がされてるというのが哀しい

北軍も黒人部隊もヒーロー救世主じゃありえないと言うことをほとんど一瞬のシーンで描いたのは上手いと思う
窮地にあってはヒーローに見えても冷静になると大概人非人と言えてしまう所業。


恐怖と時代をセピアで表現するのはいいけど、映像的にあまり意味はなかったかな。妙にサスペンス調になっちゃって
シャベル一個でザクザク薙ぎ倒すウィルスミスはとても楽しい

奴隷解放宣言が出たからって当然一瞬で自由になるわけではない。20世紀に入ってからも然り
南軍の戦争徴用も北軍とは違って自由黒人からだけではなく奴隷からも。それも白人の顔を立てるために。名誉の戦闘ではなく裏の雑用泥仕事
ルイジアナなんて言うまでもなく。
キリスト教は当然白人だけのもの。そこかそこでの神の不在
神への信仰と懐疑で揺れ動く主人公ちゃんの涙がたまらん
一瞬だけ見せた光に縋ってしまう人間の悲しさ

ハリエットと同じくらいの頃。家族も闘っている。女も守られるばかりではいられない。
奴隷の価値も上がり始めてる頃なので迂闊に殺すこともできないし

バトンルージュ:ルイジアナ州内の都市
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