ふじこ

NOCEBO/ノセボのふじこのネタバレレビュー・内容・結末

NOCEBO/ノセボ(2022年製作の映画)
3.3

このレビューはネタバレを含みます

う~ん…。怪しいものがその怪しさのまま、怪しい者だったか…。

逆恨み物語、としか言い様がない…かな~。
なんか呪術師っぽいヤツの死に目に会うとその人物から力みたいなの受け取っちゃうのは、あくまでその人物に成り代わる訳じゃないよね。相手の姿は見えるけど。
それとも娘はあのフィリピン人(もっと辿ればあの婆さん)と魂を共有する事になったのかな…?

最初の方は[ ハッチング ]みたいな雰囲気を感じていたけれど、割とすぐに あっこれ普通のホラーか と思い直した。まぁハッチングの方は全然よく分からんかったから良いんだけど、巨大ダニが迫ってくる辺りだけちょっとそれっぽかったな。

見た目の良い普通のよくあるホラー、って感じだった。
夫が"妻は罪悪感に苦しんでいる"って言ってたけど、そんな素振りはあんまりなかった気がする。ただ犬の幻影に襲われてダニに寄生されて頭がおかし目になってしまっただけで…。いや、寄生されたのかな?あれもそもそも幻影じゃなかったっけ?
とにかく、なんかよく分からんパワーで逆恨みした結果呪い殺したってお話だった。

娘に関しては…力を移すだけなんだったとしたら、学校でちょっと浮いてた彼女を助けようとでもしたのか、毒を食らわば精神でやってやったのかどっちなんだろう。

最後の方、主人公が思い込みパワーで燃え盛るフィリピンの縫製工場のミシン台に座ってる時に、向こうからやってきた家政婦の娘と顔を合わせた時に、主人公と一緒に娘も叫び声を上げていたけれど…あれって見ようによっては娘自体はこんな復讐望んでなかったんじゃないのかなぁとも思った。
どっちにしたって恨む相手が遠くない?まずはもっと身近なところに呪うべき現実があったと思うんだけど…。
生まれ、自分を村から追い出した連中、甲斐性のない夫、働き口の少なさ、色々あった結果だし。
主人公が増産の為にやれば出来るっしょ!と無理に製造量を上げた事と事故自体は関係がないし、扉に鍵が掛かっていたのは盗難の恐れがあるという真っ当な理由で、その運用方法や鍵を掛けたまま逃げたか死んだか分からんあのおっさんが悪いんじゃないのかねえ。
不幸だったな、とは思うけれど、恨む相手が違うんだから同情心も砕け散る。
ふじこ

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