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⻘いカフタンの仕立て屋のmarucoのレビュー・感想・評価

⻘いカフタンの仕立て屋(2022年製作の映画)
5.0
甘そうなみかん🍊に泣ける。
これはタンジェリンと言うらしい。

それをハリムが一個一個キレイに
皮をむき優しく、
『甘いだろ✨?』と呟きながら、
ミナの口にあてがってやる。
その新鮮な果汁をミナがほんとに
美味しそうに吸う。

本作は好きな映画だった。
登場人物が少ない。ほぼ3人。
私はそんな映画が濃くて好き。

寡黙な職人の夫ハリム。
夫を心から愛し理解する妻ミア。
そして若き職人ユーセフ。

正直、本作の展開に戸惑った。
全く思いも依らないものだった。

あの夜の、
突然堰を切ったようなミナの情念に
泣いた。そしてその時、
ハリ厶の目にも涙があったことを決して
忘れない。
とても哀しいシーンだった。

壊れそうな華奢な背中、
そして一組の見知らぬ男達の向かい合った膝から下の素足、或いは
縦列駐車のような素足の表現は
見事だとため息がもれた。


本作モロッコの異国情緒のひとつ…、

いつものようにミナが、
🍊を齧りながら窓を開けると
いつものように大音量で伝統音楽が
流れてくる。それが愉しい。
この歌、曲想は初めて聴いたけど
私は大好きでした。
ウキウキする✨
またもや肩を揺らしたくなった。

その時の3人の何もかも理解りあい、
許し合った表情に私は胸が熱くなる。
陽気でしっかり者のミナが、
弱気なハリムとユーセフをダンスへと
いざなう。
ユーセフのダンスはなかなか魅力的だ。
そして初めて見たような笑顔だった。

3人の初めての
艶やかで、
あでやかで、
鮮やかなシーンだった💖

彼らの少し切ないダンスシーンに、
marucoは感涙を味わう。

これぞ
究極の選択、大人の愛の物語💙
私は大きく満足しました。

良ければマタアワセテクダサイ💐
maruco

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