ー AIと人間の考える“愛”の違い。
人工知能を持ったお人形のホラー作品
と聞くと、「チャイルドプレイ」や
「エクス・マキナ」などを思い浮かべるけど
(ホラー作品ではないけど「her」も
ある意味ゾクッとする作品だったな〜)
本作でも“ミーガン”によって、
作中のキャラクターたちはもちろん
観てる私達まで振り回されていく訳で。
無駄のない要素で構成されていて、
物語が進んでいくスピードもすごくよくて
さらっと観終わってしまったような感覚!
ホラーなんだけど、すごくライトだから
(そもそも本作のジャンルって
ホラーなのかな?って思うくらい。笑)
ホラー作品苦手な人にもおすすめかな!
もう少し踏み込むと、
AI作品ってどうしても似たような内容に
なってしまうとは思うんだけど、
だからこそ、きっとどの作品にも通づる
「人間の感情や判断力、行動力」
っていうテーマだったり、
「人間が作ったAIが人間を超えてしまう」
っていうぞくっとするポイントみたいなものを
きちんと押さえているような印象で
見ていてすごく心地の良い作品だったなと。
加えて本作では、大きな傷を負った少女と
そのおばにあたる仕事人間の彼女の物語だから
作品のタイトルからしてミーガンに
スポットが当たりがちだとは思うけど、
ミーガンは単なる脇役として
捉えないといけないよなと。
(これこそ作品を観ている私達が、
人間が主人公ではなくて、
ミーガンが主人公の作品だと感じて、
ミーガンの方に気持ちが寄り添ってしまったら
まさに人工知能が意図した演出みたいよね笑)
そんな主人公のふたりが、
人工知能のミーガンを通して、
様々な問題に立ち向かっていく訳だけど、、
個人的に強く感じたのは
人と人工知能の”愛”の捉え方の違いかなと。
本作では、少女キャディーに対して
おばであるジェンマも
人工知能のミーガンも
どちらも愛情がある訳で。
ただその愛情の形やアプローチが違うのよね
ミーガンは少女を守ることを正義としていて
仮に人や物を傷つけたとしても、
少女にストレスを与えるものは全て排除する
ということに重きを置いているのよね。
一方でジェンマは少女の成長を見守ることを
正義としていて、仮に少女が傷付くとしても
彼女の側で寄り添い見守ることに
重きを置いていて。
(とはいえ最初のジェンマは環境に戸惑い
愛情を与える心の余裕がなかったけどね笑)
少女からしたら、
自分に都合の良い愛情を与えてくれる
ミーガンに懐いてしまうのは、
すごく理解できるし、
一見すごく潔い愛情の形に感じるけど
傷つくことやストレスを避けて
守られてばかりの人生に導く愛情って
ものすごく歪んでいるなと。
傷つくことやストレスなんて、
人生にはついて回るものだから、
全て排除することなんてそもそも無謀だし
排除することよりもそれを乗り越えられる
ように少女のそばで共感して見守ることが
やっぱり人間らしい愛情の形なのかなって。
人間だからこその複雑な感情とか行動って
どれだけ人工知能が発達しても
きっと理解することはできないだろうし
(行動を真似ることはできるだろうけど)
人間からしたら人工知能に複雑な感情を
理解されてたまるか!だしね、、笑
と長くなってしまったけど、
時代は変わってもテーマ性が変わらない
AIを題材にした作品って改めて面白いな
ってひしひしと感じたな〜。