ー 音楽的エンターテイメント×心理的スリラー
シックスセンスでお馴染みの
ナイトシャラマン監督の最新作!
ということで公開日を待ちわびて、
期待を超えて妙な安心感を持って劇場へ笑
予告からも伝わる通り、物語としては
ティーンからの絶大な人気を誇る
LADYRAVENのライブを舞台に
サイコな切り裂き魔を捕まえる為、
警備員、FBI、犯罪心理カウンセラー
など総動員で追い込む訳だけど。
もう、、、最高でした。
シャラマニアン(笑)の私としては
やっぱり監督の作る作品が大好きです。
まず衝撃だったことは、
舞台ともなるライブの主役LADYRAVEN。
実は、シャラマン監督の実の娘さん!!
(もう一人の娘さんは映画監督で、
ザ・ウォッチャーズなど手掛けていて、、)
もともと監督が娘さんと
音楽と映画について語り合っていたときに
「音楽を題材としたスリラー映画」と考え
娘さんに提案をされたそうで。
娘さんもこの作品のために、
曲の制作から始まり、振付や衣装など
ツアーライブさながらの準備をされたそう。
(音楽もダークなダンスナンバーっていう
独特なスタイルで聴き心地がよかったな〜)
またこの作品の撮影自体、
LADYRAVENのライブを止めることなく、
ライブと並行して映画の撮影をしたようで
監督も「あそこまで自分を追い込んだことは
なかったと思う」と話していたそう。
実際にライブの始まりの映像も、
映画を観ているというよりも
ライブ会場にいる観客のような感覚で
初めてみるLADYRAVENの登場にも
うわー!と感動してしまって、、笑
次に衝撃だったのは、
主人公であるクーパーを演じた
ジョシュさんのものすごく繊細なお芝居。
中でも印象に残っているのが、
ライブステージの横から娘を眺めるシーン。
少しここからネタバレに
なってしまうかもしれないけど、、
LADYRAVENと共に踊る娘の背中を
温かく見守る父の顔と
警備員の動きや会場の状況を気にかけ
冷静に観察する殺人犯の顔。
この表情が交互に繰り返されていて
セリフはないシーンではあったけど
手に取るように彼の心情や
2面性をもつキャラクターの魅力が
最大限に表されていたなと。
他にも車で逃げようとする彼が
思わずこぼした、
「2つの人生が目の前にある」
というような台詞。
これもなんだかぐさっときてしまって。
私たちも多くの人が
仕事やプライベートの顔が違ったり
生活の軸となるものを複数持っていたり
2面性を持っていると思っていて。
ただその2面性が作中のクーパーの場合
良き父と悪き殺人犯っていう
かなり差のある人格だった訳だから
2面性を切り変えなければならない訳で。
(このテーマは"スプリット"にも通づるよね)
そんな中で怯えた家族の顔を目の前にして、
2面性を切り替えられなくなった彼が淡々と
家族に向けて日常的な話をするシーンも
人の人格が壊れている様を
リアルに見ているようで怖かったなと。
あと印象に残ったのは、
冒頭の車のシーンで娘さんが聞いていた
LADYRAVENの曲のタイトル「甘くみないで」
っていう言葉のセンスから始まり、
エンドロールのサイドにあった
伸び続けていく点線の演出。
(点線がひたすらに伸びていって、
枝分かれしたり逆行したり消えたと思ったら
まだ続いていたりと罠をいくつもすりぬける
まさに、クーパーのような演出だなと)
シャラマン監督というと、
やっぱりシックスセンスや
ヴィジットでいう大どんでん返しの演出
っていうイメージが強いせいか、
それを期待している方が多い印象で。
(実際に予告でもどんでん返しのその先へ
などと言ってしまってるし笑)
私も大どんでん返しのストーリーは
大好物なんだけど笑
個人的にシャラマン監督の作品には
そこを求めているわけではなくて、
作品のテーマやストーリーが
自分の好みに刺さってしまうんだよね。
きっとそれって監督の感性はもちろん
沸き続けるストーリーや、
(娘さんが子どもの頃には監督が
怖い話を作って色々な登場人物を作り上げ
毎晩違うエピソードを話したそう。)
作品に対する熱量が、
(過去にも自宅を抵当に入れて捻出した
資金を基に作品を作り興行収入で自宅を
買い戻したこともあるそう。)
自分に刺さってしまってるんだろうなと。
だから本作のテーマでもある
リアルに進行していくライブステージ
(音楽のエンターテイメント)を土台に
繰り広げられていく
殺人犯の逃亡劇っていうスリラー映画
っていう新感覚な映画体験は
ものすごくわくわくして楽しかったな〜
今後もシャラマニアンの1員として笑
様々な作品を見届けたいな〜