小川勝広

カンフースタントマン 龍虎武師の小川勝広のレビュー・感想・評価

5.0
最初から最後まで、
ニューシネマパラダイスのラストを観てるような感じだった。

香港アクションスタントチームが残してくれた事は、
世界中の映画界にとって、
言葉では言い表せない。

あえて簡単な言葉でいうと、
基準とノウハウ、
そして100年後の人たちが観ても驚くアクション作品の数々。

基準は、
これ以上やると危険、
ここまでは安全、
という基準。

ただし、
その基準通りに、
安全の範囲で撮影していたら、
観客は観に来てくれない。

その安全の範囲を、
チームを組んで何をどこまで練習して積み上げていけばいいのか、
そのノウハウを残してくれた。


安全に撮影するノウハウは、
この人たちの命懸けのスタント、
全身傷だらけのアクションの痛すぎる積み重ねに下支えされている。
亡くなった方、
再起不能になった方々の歴史。

ここまでは安全、
これ以上は危険だから、
別の撮影方法を考える、
または、
セーフティの方法を試す。

そんな準備を半年、一年をかけてリハーサルをする。

そんな新しい映画のパラダイスを、
アップデートされたアクションを魅せてくれたひとたちに感謝。

多謝再見永遠敬

【蛇足】
数々の息を飲むようなインポシブルなミッションも、
キートン、
ロイド、
HB・ハリッキー、
と共に、
それぞれのジャンルは衰退し、

香港アクションチーム、
ジャッキー・チェン、
トム・クルーズ、
と共に、
アクション映画そのものが、
衰退していくのは本当に寂しい。