Kuuta

イヴの総てのKuutaのレビュー・感想・評価

イヴの総て(1950年製作の映画)
3.4
サンセット大通りと同じ年に撮られた舞台内幕もの。ハリウッドが自らの責任で映画界の闇を炙り出したサンセット大通りと比べると、ハリウッドがブロードウェイ(演劇界)を描いた今作はやや切れ味に劣る感じがしてしまった。

伏線や言葉遊びを散りばめたセリフ、見る側の予想の斜め上を行く話運びは秀逸。特にマーゴが自ら舞台を降りる中盤には驚いた。ただ、映像的な魅力はラストのシークエンスを除き、全体にやや弱いように見える。言葉でガッチリと固められた舞台劇という印象が強い。

その中でも、マーゴ役のベティ・デイヴィスの演技はずば抜けている。老いていく女優としての存在感は、恐らく脚本に書かれた以上のインパクトを残している。イヴ役のアン・バクスターと票を分け合い、アカデミー主演女優賞を逃したという事実が皮肉だ。68点。
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