ユーライ

零落のユーライのレビュー・感想・評価

零落(2023年製作の映画)
3.6
いつの間にか定着してしまった「面白いおじさん」としての竹中直人が躁ならば、これは鬱。もともとこっちの側の人なんだろうなーと思います。盟友である石井隆と押井守を足して二で割ったような。やたら饒舌だし、ネオンは出てくるし、性にだらしない工は村木みたいだ。自分なりの石井隆をやる意図は明白。そこにガロ的な虚無風景が混じってる。撮影は柳田裕男!漫画家先生の自意識なんて勝手にやってろなんだかんだ売れっ子ですやん死ねよで一蹴すれば済むお話なんだけど、延々ねちこく自閉をやっている様をアンビエントなだるーい雰囲気のまま持たせているのは立派。コンセプトを果たしている。しかし食い足りない。工が「怪物」である所以がもっと欲しい。結構普通の人ですよね。普通の人であるが故に怪物って言いたいんでしょうけどもね。
ユーライ

ユーライ