暴力刑事ものらしく善悪の境界を揺るがさなければ、タフな生き様で魅了もしない。野獣刑事……いや、悪徳刑事(デカ)と呼ぶのが相応しい。当然のようにヤクをキめ、違法賭博に横暴捜査。挙げ句の果てには無免許運転>>続きを読む
オードリー・ヘップバーンの魅力に尽きる。映る度に「オードリー萌え~」と絶叫しながら観ていた。ソフトタッチな石井隆(ラストシーンで土砂降りの雨が降る)にしては、全然娼婦に見えないし生活も困窮してなければ>>続きを読む
仮にも連休最終日なのに貸し切り状態。やはり有名な役者が出ていないと厳しいのか。「なんか百合っぽいな」程度の安直な理由で観たが、期待に応えてはくれなかった。まず企画に問題がある。演劇なら抽象で押し通せる>>続きを読む
どういう話なのか分からなかったんですよ。「オイオイまさかここでエンドロールじゃないだろうな」と思ってたら本当に暗転して終わりやがった。お、俺馬鹿だからよく分かんねぇけどよ……つまり『悪魔のいけにえ』み>>続きを読む
陰キャが陽キャと次第に仲良くなって間に挟まる男発生。そいつのせいで関係性に亀裂が生じ、社交性を獲得する陰キャに対し鬱屈していく陽キャ。百合で100万回は見た定型がそのまんま展開されるので感動する。「転>>続きを読む
数年前に『鵞鳥湖の夜』を観た時も思ったんだけど、ノワールを基準にしながら微妙にハズしていく感覚が作家性強めのVシネといった趣。日活アクションっぽい荒唐無稽さ、ひいては腐女子先生が書いた一次創作に近い底>>続きを読む
思ったより全然悪くない。中途半端に肩に力を入れて臨まなければならなかった『-1.0』より、期待しないで観たらまぁまぁだった程度の方が精神衛生上良い。チャンピオンまつりとは言うけど、より正確に言えば志向>>続きを読む
時系列を錯綜させながらクローズアップを多用し、劇伴鳴りまくりに加え定期的に爆音を挿入。これらを細切れの編集で紡いでいく飽きさせなきゃ何でもいいんだよと言わんばかりの図々しさで3時間持たせるハッタリ力(>>続きを読む
貸し切り状態を初体験。平日レイトとはいえアカンやろと思いながら観たが、案の定だった。縁もゆかりも無い他人の葬式に無理矢理参加させられた気分になる。身内だけの二次会三次会まで付き合わされたような。私だっ>>続きを読む
まず企画が偉い。「コアな人気はあるが客が呼べるか難しいサブカル総本山浅野いにお先生初アニメ化!それだけじゃ弱いからあのちゃんとYOASOBIを招集!カロリーの高い背景美術もちゃんと描写!時代性を捉えた>>続きを読む
極めて良く出来た痛快娯楽編であり、ケチを付けるのは難しい。再見だったけど殆ど内容を忘れていたもんだから、押井ってこんな普通に面白いエンタメも撮れるんだと驚いちゃった。コンピューターウィルスを80年代で>>続きを読む
どういう経緯で立ち上がったのかよく分からない映画。パブリシティの垢抜けなさ(推薦コメントの人選が節操なさ過ぎる)、『オールド・ボーイ』のパチモンみたいなタイトルなど怪しい雰囲気漂うが、一級のスタッフキ>>続きを読む
唐突なお色気、無駄なグロ死、精緻なメカ作画、ウネウネドロドロした触手を放つクリーチャー。ディテールだけ際立って全体的な統一がまるで取れていない、いかにも80年代の徒花アニメ映画。大塚周夫がノリノリで演>>続きを読む
再見。SFらしくない現代の延長線上にある猥雑な風景の中、「何故子供が生まれなくなったのか」理由を示さず人々に襲い掛かる不条理を淡々と長回しで処理し続ける。いつ暴力が発動するのか分からない異様な緊張感を>>続きを読む
再見。4回目くらいか。我が国に脈々と受け継がれてきた「子供向けのアニメで現実をカリカチュアして描く」話法の限界点。公開から数十年経った今、最早予言性を超えて普遍的な論と化した。これまで実写映画がついぞ>>続きを読む
TVシリーズ未見。異様に長い総集編アバンからして劇場版っぽさはあまり無く、ファンディスクといった趣き。『ULTRAMAN』をベースにして『vsビオランテ』と『ガメラ3』をフリカケる田口監督の趣味性が炸>>続きを読む
いやこれは傑作だろ。石井隆が自身のキャリアを冷静に俯瞰しながら、女優・喜多嶋舞のパーソナルを取り込んで綴る壮絶な自己言及。華々しさの裏にあるギョーカイの薄汚ない論理やおヌード目的な激安商品であることの>>続きを読む
強く思ったのは何しろ長ーよ、ということだ。元になった7分の短編を3時間の大長編仕様に。途中から寝ていたのでよく覚えていないが、半分の尺でも十分語り切れるでしょ。中年童貞子供部屋おじさんが勇気を振り絞っ>>続きを読む
原作&旧アニメの筋書きうろ覚え、09年版はリアルタイム。ボンズ肝入りグレードのある画面で1920年代のヨーロッパを精緻に描いていることにも驚かされるが、TV版に引き続き扉の向こうは現実世界でしたという>>続きを読む
監督の脳内では、何でこうなってああなるのか説明は一から十まで付いていると思うのだ。ただ、俺がそこまで付き合う義理はないんだよな。自分から行っといて何だけど、こういうミニシアター系の映画を観る度に思うの>>続きを読む
冒頭から事件を説明するためにダラダラダラダラとセットアップに手間を掛けていて正気を疑う。全体的にTVドラマサイズとしか思えず、登場人物の名前をご丁寧に示すテロップ、取ってつけたような劇伴、歯の浮く台詞>>続きを読む
Q.「もし井筒和幸が『ぼっち・ざ・ろっく!』を撮ったら?」A.「押し入れに戻る」。主役が怪物になった理由を示さず、感情移入を拒み続ける作りが『仁義の墓場』。だからこそ、とうとう「正しい世界で生きたい」>>続きを読む
原作アニメ読んでない&見てない。43分というTVアニメ二本分以下の短尺からしてファンアイテムの域を出ないが、路傍を突き進む主観カメラという『鉄男』みたいな実写映像にアニメーションを合成したオープニング>>続きを読む
もっとマジメにやれ。二十年の時を経て最早取り繕う必要はないとばかりに、エログロキッチュでB級全開。昔はもっと硬派だったと思うんだけど、間に『クロスアンジュ』を挟むことで疑問は解消される。下世話なNTR>>続きを読む
フェアじゃないけど、再見して印象が変わったので書き直し(フィルマって削除後に再投稿しないと新着扱いにならねぇんだよなぁ)。原作アニメ一切合切未読未見なのにここまで気に入った理由は、アバンギャルドな映像>>続きを読む
最新作『ファミレス行こ!』を読んで「やっぱり和山先生は本質的にBLの人なんだなぁ」と思ったが、実写にすると都合の悪い部分がボロボロ出て来るのは想像に難くない。というのは全くの杞憂で、漫画実写化として百>>続きを読む
「女子高生にバンド組ませてブルハ歌わせれば受けるやろ」というオヤジ臭がキツい企画を山下敦弘が巧妙に脱臭していく。若干29歳。同系統の学園コメディとして矢口史靖のようなあからさまに笑わせる雰囲気ではなく>>続きを読む
ママが自殺未遂。絶賛登校拒否を続ける私が心を寄せているのは小学校時代の先生と偶然出会ったチャラいお兄ちゃんに浮浪者やってるオジサンだけ。新しいパパも学校の自称ボーイフレンドも気持ち悪いだけ。だいっきら>>続きを読む
常時半笑いで観て最後は無理くり感動させられるシャマランテイスト。何やら訳あり気な片田舎の家族が右往左往を見せられるだけなので段々ウトウト、しかし宇宙人激撮をホアキン目撃してビックリ飛びのき辺りから面白>>続きを読む
優作の『探偵物語』(もちろんTVドラマの方)やないか。全体的にセントラル・アーツやNTV火曜9時臭漂うが、オリジナルはこっちだ。奇人変人ばっかり登場するから見ていて飽きないけれど、どれだけ変わったこと>>続きを読む
沢山いるワンちゃんがキャンコラキャンコラ跳ね回る光景に「これは現実である」みたいな勿体付けたテロップが重なる。あーこれだよこれこれと少なからず期待させるが、思ったより残酷じゃない。というより、「この映>>続きを読む
ニュース映像を使用したオープニングの時点で何やらただ事ではない気配は伝わるが、その割にお話は『2』以降に醸成された、パブリックイメージとしてある「ムキムキのスタローンが悪い奴らをブチ殺します。以上」で>>続きを読む
予告を見て「こ、これはインピオじゃあーりませんか」などと懸念していた私のカスみたいな邪を粉々に打ち砕く、力ある作品だ。驚嘆したのは、プール開きにてすっぽんぽんになる児童らはともかく、トットちゃんの丸ポ>>続きを読む
文句を言うために観に行った方が悪いのだけど、お前ホンマええ加減にせえよ。弱男である独居老人コウジ・ヤクショがトイレ清掃員に扮して魔都市TOKYOの奇妙奇天烈な便所をあっちでフキフキ、こっちでフキフキ。>>続きを読む
彼女が精神の均衡を失っていることがコメディタッチの中でジワリジワリと点描され、中盤に至っていよいよ決壊する辺りは結構いい感じだ。おっここから家庭崩壊の悲劇一直線なんだなと思ってワクワクしていると、何だ>>続きを読む
午前十時の映画祭。久しぶりに観たが、アレこんなにいい映画だったっけと驚いちゃった。お話は凡庸なプロピクの域を出ないがベタを貫徹する手際、役者陣の奮闘、意表を突かれるやり過ぎ残酷描写、そしてリドスコ特有>>続きを読む