ユーライ

昼下りの女 挑発!!のユーライのレビュー・感想・評価

昼下りの女 挑発!!(1979年製作の映画)
4.8
ロマンポルノに対する「宣伝部が付けたクッソ適当なタイトルに反し、本編は異様な実験を行っている」イメージそのまんま。桂千穂は初めてだけど、映画ってこんなデタラメな脚本でも許されるんだな。69分ずーっと話が転がり続けるから飽きない。轢かれたけど柔道やってるから大丈夫っす。全然理由になってない。蒸発妻が田舎で暴漢にレイプされ散々な目に合う、というプロットだけ聞くといかにも陰惨なのに後味は何故かスッキリ爽やか。この感覚は実際に観ないと伝わらない。性嫌悪を抱える女の地獄巡りで待ち受けるのは、ゲイの青年に妻をNTRれた警官、そして重機を乗り回す治安が世紀末な三人組。産道を潜り抜けた先で交わされる「君……」「一人で歩けるよ」。ディテールで遊び倒して目くらましされているが、主題と糞真面目に向き合っている。何なら道徳的なお話だとすら言っていい。感動した。
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