不気味な映像（呪いのビデオに通ずる技術の瑕疵）が映えまくる。
最初から高橋洋は高橋洋だったのだ。
文語調のセリフがいかにも文学部という感じだ。
どうやらセルフリメイクするらしい。

早稲田シネ研時代の撮影技術の高さに驚かされるが、なによりマブゼ映画としての品格を確保する若き西山洋一の存在にビビる。カナザワ映画祭で特別に上映された井川耕一郎の伝説の8mm映画『DELIRIUM』（こちらは学生時代の高橋洋が主演で、当時の高橋洋が住んでいたアパートの一室で撮影された上映時間わずか5分程度とは思えぬの尋問ホラーだ）とともに学生レベルを遥かに超えた狂気を孕んでいる。

終始不穏な呟きと、陰鬱な画面とで霊的モードが場を支配する。口笛、いいよな。後でフリッツラングのMを観た時興奮した。世界から振り落とされるように退場させられた2人は何処へ？