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クリード 過去の逆襲のmasunkoのネタバレレビュー・内容・結末

クリード 過去の逆襲(2023年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

「ロッキー」シリーズヘビーファン、「クリード」シリーズも数回リピートする「ロッキー」サーガファンです。本人監督、全米大ヒット、期待して観ました。
技術に助けられている箇所と、技術に押し負けられた演出が混在し、接近戦の迫力を中心に定義されたファイトシーン、かつての触れられたくない過去、家族の仲違い、などポイントは上手く消化されていた気はします。ただ「クリード1」「2」にあった上手さを感じる部分は残念ながら感じる事はなく、それはスタローン不在だからではなく、なんとなく対戦する2人の関係性に大人になったのび太とジャイアンの様な、特有な軽さを感じてしまったからの様に思えた。敵役の描き方に緊張感がなく、典型的なダメ黒人にしか見えなかった事が、メインな原因に感じた、務所上がりから、タイトル戦までのタメがなく、いきなりすぐにタイトル戦に入っていく感じや浜辺で謎のパーティをやってる感じが、行動原理が理解出来ないキャラクターに思えた。対するクリードも敵に引っ張られ、それほどの魅力を感じれない結果になった。
私が明確に許せなかったのは、ラストの試合で観客が急にいなくなり、雲の中で2人だけの幻想空間で戦いだし、かつ気がつくと11ラウンドになっていた所。コレまでにない新鮮味を出したかったのだろうが、ボクシング映画でない、ファンタジー的な描写の度合いが強すぎ、DCやマーベルものの様なスイッチに思えた。顔面や身体に傷を負いながら過酷に闘う見せ場には、劇画が過ぎる描写だった。
本編とは別の短編アニメが、IMAXには付いていたが、本編の余韻をリセットさせる置き方に、とても気分が萎えた。あくまでも食べたかった料理は「クリード3」なのに、頼んでもない不味いデザートを食べさせられた気分だった。
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