ダンクシー

オットーという男のダンクシーのレビュー・感想・評価

オットーという男(2022年製作の映画)
3.6
「バカモノでもあなたのことを想う人がいるのは幸せなのよ」

なんつー素敵な映画だよ!!リメイクらしいけど、これまた原作を観たこと無いのでフラットに観れたし感動しましたね。にしても、トム・ハンクスも老けたねー。

オットーは、めんどくさい偏屈おじさん。そんな彼だが、辛い過去を抱えていた。決して悪い人ではないし心優しい善人なのだが、孤独故にこじらせてしまっている。こういう人は結構いると思う。でも、そんな人の表面だけを見るのではなく、ちょっとでも想ったり気にかけるだけで、大きくプラスへと変化をもたらす。誰かがそばに居るだけで、こんなにも前向きに幸せになれる。それを痛感しましたね。

「彼女は私の全てで他は価値がない。今までもこれからもね!」
「じゃ私は何?」

現実世界にいるオットーみたいなルールに厳しい、うるさいジジイがどういう人間でどんな背景があるのかってのも少し理解出来た気がする。ずっと何かに囚われていて、抜け出せないが故に周りが見えないし自分を客観視出来なくなる。そしてその事実からも目を背け続けるから、厄介な人間になる。でも、そんな人も、そういう人を知ってる我々も、観るべき映画。生きることの素晴らしさもそうだけど、ちょっとでもいいから幸せを、温もりを、人情を、色んな人に分け与えていきたいと心から思える映画だった。

オットーは先立たれた妻の影響もあり、"死"を常に意識している。結構重ためなんだけど、個性的なキャラや演出の数々が作品をポップに引き立てて観やすくしている。現代におけるテーマも違和感なく巧く組み込んでいたのも素晴らしい。

最後は、ちゃんとみんなオットーを大好きになれたしね!!ええやん…!
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