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シモーヌ フランスに最も愛された政治家のyukiのレビュー・感想・評価

4.1
following開明獣さんより、3日以内に観に行かなければ、今後一切の仏蘭西映画の鑑賞を禁ずる呪いに掛かると脅され、
明後日18日(金)上映「ふたりのマエストロ」のチケを予約したので慌てて観ました💨
(獣さん、フレーズお借りします😆)
※台風による休館日はNo Count🖐️

壮絶な人生を潜り抜け、強健に「政治」を成し遂げたスーパーウーマン。
さぞかし仏版「鉄の女」が登場することと待ち受けていたらー



💙🤍❤️以下、予備知識なしで鑑賞したい方はスルーしてください❤️🤍💙





【感想】
序盤は男性議員の罵詈雑言でしかない発言に耳が閉じた。
個人的には「望まない妊娠」と中絶法の是正には答えが出ない。。
強制収容所と刑務所では異なると思うものの“囚人”への拷問には胸が痛む。

冷徹で強靭な精神力以上に、情味の溢れる姿を観ていると“何か”を共有している感覚に襲われた。
突如よみがえる過去、長時間繰り返されるホロコーストのシーン。
「あなたは勉強して自立しなさい」聡明な聖人だった母より語られた言葉。
何度も何度も挫けて頽れたくなるのを奮起する心の底に絶えず流れる想いは、普遍的で尊い、誰の心にも宿るものではないか。

ラスト、シモーヌのセリフは“記憶”と史実は異なると語る。
嗚呼、だから今作は時系列ではないのか。
リアルでランダムな映像を一緒に観ることで、少し“記憶”を共有できた気がする。

【印象的だったもの】
・シモーヌが瞳の色に合わせて身に付けていたシャネルのスーツやジュエリー

・いつも穏やかに支えてくれているように見えた夫アントワーヌの激しい感情の吐露

・イスラエルでの三男とその彼女との会話
「私は身も心もフランス人よ」
「私が闘う場所は欧州なの」

・AIDS患者と20分の対話後の姿

【自分用メモ_φ(・_・ ✨】

🟦Simone Veil(1927-2017)
政治家、保健大臣、欧州議会議長
・検挙前にバカロレア(大学入学資格)の試験にパスしていたため、生還後に大学の法学部に登録し、最高学府であるグラン・ゼコールを卒業した

・政治学院で出会ったアントワーヌ・ヴェイユとはシモーヌ19歳のときに結婚し、3人の子を持った
(長男ジャン、次男ニコラ、三男ピエール)

・ジャック・シラク内閣で保健大臣に就任し、人口妊娠中絶法案を成立させた

・2017年逝去し、国葬が執り行われると、夫のアントワーヌと共にパンテオンに合祀された

⬜︎著名人・有名人人気ランキング
データ元:仏紙「ル・ジュルナル・デュ・ディマンシュ/Le Journal du Dimanche」(2016年)
1. オマール・シー(俳優・コメディアン)
2. シモーヌ・ヴェイユ(政治家)
3. ジャン=ジャック・ゴールドマン(シンガーソングライター)
4. テディ・リネール(柔道家)
5. ダニー・ブーン(俳優)
6. ミシェル・サイムス(TV司会者)
7. フロランス・フォレスティ(コメディアン・俳優)
8. ソフィー・マルソー(俳優)
9. ジャン・レノ(俳優)

🟥主演エルザ・ジルベルスタイン
・今作では40代以降のシモーヌを熱演
・生前、シモーヌ本人とは交流があり、
スピーチでの毅然とした威厳の裏に隠れたものを感じたと言う。
演じる際には、彼女の瞳の中に宿って見えたフラジャイルな、壊れやすく、かつ豊かな感受性を表現することに努めたと語る。

・もうひとりの「シモーヌ」の構想
シモーヌ・ド・ボーボワール(Simone de Beauvoir)
彼女がアメリカ人の作家と大恋愛をしていた1940年代のプライベートな部分に絞った作品を作りたいと思っているとのこと。

※その他、今作を観て思い出した作品
クロード・シャブロル監督1988年の作品『主婦マリーのしたこと』。
第2次世界大戦中、違法の堕胎で金を稼いだ主婦のマリーが1943年、フランス最後の女性のギロチン受刑者となるまで。
(実話ベース)

❄️2023🎦-128
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