わかうみたろう

それでも私は生きていくのわかうみたろうのレビュー・感想・評価

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
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 とにかくテンポが早く会話も多い。その中でもちろん中心はレア・セドゥで、シーンが変わるたびにレア・セドゥの姿から新しいシーンが始まることが多かった。リズムについていくのに慣れない中、突然父の教え子に合って彼女が泣き出して切れ目が生まれ、そこからは一気に気持ちが入り込んでいった。
 父の介護の不安定さは一定の間隔で訪れることがわかっているのだが、彼氏がいつ現れていつ去っていくのか最後まで未規定だ。突然恋に落とされたり、別れを告げては再び現れたり。その振り幅の広さと素早さに段々と彼女の気持につられて心が落ち着かなくなる。
 拠り所が欲しい彼女としてはそりゃ何度別れが訪れようとも相手に結婚相手がいようとも離れられない。彼氏が宇宙科学?を専門としているのもロマンティックなユーモアがある。
 レア・セドゥの何度も何度も繰り返して突然泣く姿にはひつこさがなく毎回心は揺さぶられる。