真魚八重子

それでも私は生きていくの真魚八重子のネタバレレビュー・内容・結末

それでも私は生きていく(2022年製作の映画)
4.5

このレビューはネタバレを含みます

ギャスパー・ノエやフランソワ・オゾン、ミア・ハンセン=ラヴまで介護の問題を描くとは。世代もラヴはズレているので、老人が増えて若い世代に介護の負担が増えているということなんだろうなと感じる。
あと、日本だとコミカルにしないとコンプラ的に非難されそうだけど、この介護の苦労はフランス人の現実直視ぶりが反映されているのかも。

主演はレア・セドゥ。父が恋人の名前を呼ぶのに、一番介護をしている娘の自分の名前を最初には思い出さないとか、施設に入るためにアパートを引き払う際の引っ越しなど、既視感がすごかった。「荷物が多い」は共通の悩み。

同時進行で不倫の恋をするようになっていく。この心の揺れや、キリキリと自分を抑制して仕事に打ち込むところはリアル。男性側も弄んでいるわけではなく、(家庭を大事にしなければダメだ!)と思い立つものの、家庭に戻っても心はセドゥのところにあって、もぬけの殻が家庭に戻っているだけで意味がなかったりする。恋愛での過程が丁寧に描写されていて、情熱的で愛を重んじる人たちの苦悩だった。
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