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お熱いのがお好きのsensatismのレビュー・感想・評価

お熱いのがお好き(1959年製作の映画)
4.5
2020/135
わたくしジャック・レモンの笑った時にできる線みたいな細い口の端がだあいすきですわ!
口角は完全に笑ってるのに表情はまったく笑っていなくてでもとてもひょうきん、顔だけでツッコミとボケどちらも兼ね揃えてるんですもの。

女装、密造酒、ギャング同士の抗争といったヘイズ・コードに絶対引っかかるであろう題材をコメディとして完璧に仕上げるビリー・ワイルダー監督の手腕よ。
男2女1の組み合わせって色々あるけど、この映画の3人組が好きだった。

個人的に女装がおもしろいとされるのって、強いひとがランクの低い弱いひとに擬態するから可笑しく感じるだけであって本当はとても卑しくて差別的なことなんだよな。
「女性らしさ」を模範することは一歩間違えるとただの侮辱になってしまうんだけど、不快感を感じなかったのは女装する経緯の理由が自然だったこと、ミソジニー的側面が薄かったこともいろいろあるけど、女性の領域を尊重していたからなんだろうな。「女性らしさ」を完全に呑み込んでいるのに、本人は絶対的な男性であることを忘れさせない。

"Nobody's perfect."

あの爺さんは最初からゲイだったんじゃないかって思えるくらいの自然な言葉だったな。
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