中国激動の30年間を描き中国当局から繰り返し修正を迫られカットを余儀なくされた部分を復活させた2019年に中国で公開されたロウ・イエ監督作品「シャドウプレイ」の完全版。
息もつかせぬ熱量で描かれる激動の中国。ある村を起点として起こる愛と欲望が入り混じった衝撃的な中国ノワール。特徴的な映像で描かれる中国の姿は煌びやかながらも暗く湿ったものだった。大体の映像が手持ちカメラで撮られているようで観てる側そこにいるかのような映像が多かった。それ故に目が回りそうになるところや少々見づらいところもあったがそれはそれでいい味出してた。カットの繋げ方に違和感を覚えるところも少々あったがそれは私の映像的なセンスの問題なのだと思う。橋の下のシーンは魅力的だった。灯りが男の顔に反射しているのが美しかった。実話を元にした硬派な映画かと思いきや終盤にはまるでジャンル映画のような派手なアクションが登場する。ますます監督のセンスが分からなくなった。私は暴力が大好きなのですがこの映画は結構リアリティのある暴力が多くてよかった。中国映画というものをしっかり観たのは今作が初めてかもしれない。
