『ALWAYS続・三丁目の夕日』の冒頭シーンや西武園ゆうえんちのゴジラ・ザ・ライドから窺い知れる、山崎貴監督のゴジラへの憧れ。
今作ようやくそれが形になったようで、監督のカラーが良い意味で活かされたゴジラ映画に仕上がっていたように感じる。
自分は全然戦艦や戦闘機等について明るくないのだが調べると、苛烈な砲撃の雨を沈むことなく耐え凌いだ実在する戦艦の高雄、雪風、響やら、実戦配備されず陽の目を浴びることなく役目を終えた戦闘機が、戦禍の残火であるゴジラと対峙するという、マニアなら垂涎ものの展開であったと気付く。
ミリ系の映画に定評のある山崎貴が、戦艦や戦闘機でのゴジラとの水上戦を描くのだから、こりゃ面白い。
軍部解体されて日本国は防衛力ありません！(国民混乱させたくないし、責任取りたくないから、倒したい人は内密かつ勝手にやって)
GHQもソ連との軋轢で軍事介入できません！(それっぽい理由並べてるけど、ホントはただ面倒くさいだけだったりして…、とにかく倒したい人は内密かつ勝手にやって)
国や周辺諸国が日本国民を厄災から守る気ないのが見え見えな最中で、大戦を生き抜いた"民間の人たち"が再び戦場に立ってゴジラを迎え撃つという展開。
"民間の人"ってのが個人的に重要ポイントだと思う。
国の抱える問題に一人一人が参加者意識を持って取り組まねばならない現代で、「誰かがどうにかしてくれるし」みたいな人任せな振る舞いはしてはいけない、次の世代が貧乏くじを引く思いをするのなら、俺たちで食い止めよう‼︎というメッセージが浮かんでいる。
その気持ちは大事だ。
セリフ周りや伏線の粗雑さなど脚本に関して他の方同様思うことはあるけど、日本にしか作れないゴジラ映画を紡ぎ出していたので、僕は賛辞を送りたい。
